お客様の忘れ物の対応ルール|保管・連絡・警察への届出
お客様の忘れ物の対応ルール|保管・連絡・警察への届け方

お客様の忘れ物の対応ルール|保管・連絡・警察への届け方

更新日:2026年10月12日

施術後のセット面に残されたピアスやヘアゴム、待合のソファに置き忘れたスマートフォンや傘。サロンでは、お客様の忘れ物は毎日のように起こります。すぐに連絡がついて返せればよいのですが、持ち主が分からないまま日にちが過ぎると、「いつまで保管すればいいのか」「警察に届けるべきか」と迷うものです。この記事では、遺失物法の基本をもとに、サロンでの忘れ物の保管、お客様への連絡、警察への届け方、スタッフで共有したい対応ルールを解説します。

【大事なこと】
  • 店内の忘れ物は遺失物法上の「物件」にあたり、サロンは施設占有者として扱われます。スタッフが見つけた場合も、拾ったのは施設占有者となります。
  • 施設占有者は、速やかに持ち主に返すか、警察署長に提出しなければなりません。
  • 見つけた日(お客様から届けられた場合は受け取った日)から1週間以内に警察に提出しないと、費用や報労金を請求する権利などを失います。
  • スマートフォンやカードなど個人情報が入った物は、持ち主が見つからなくても拾った側が所有権を得ることはできません。

忘れ物は「遺失物」|サロンは施設占有者になる

サロンの店内に残されたお客様の忘れ物は、遺失物法の対象となる「物件」で、サロンは「施設占有者」として扱われます。

遺失物法では、建築物などの施設で、その管理にあたる人が常駐しているものを「施設」とし、その施設を占有している人を「施設占有者」としています。営業中にスタッフが常にいるサロンは、この施設に当たると考えられます。

遺失物法第4条では、施設で物件を拾った人は、速やかにその施設の施設占有者に渡さなければならないとされています。たとえば、お客様が待合で別のお客様の忘れ物を見つけた場合は、その場でスタッフに渡してもらうのが基本です。警察庁は、施設内で拾った物は施設に届け出るよう呼びかけ、24時間以内に届けないと拾った人の権利がなくなると案内しています。

では、スタッフ自身が忘れ物を見つけた場合はどうなるのでしょうか。長野県警察の案内では、施設の従業員が落とし物を拾った場合、拾得者は拾った個人ではなく「施設占有者」になるとされています。つまり、サロンのスタッフが見つけた忘れ物は、お店として預かった物として扱う必要があります。スタッフが個人で持ち帰ったり、判断で処分したりしないよう、ルールとして共有しておきましょう。

【要点まとめ】
  • 店内の忘れ物は遺失物法の対象となる物件
  • サロンは施設占有者として扱われる
  • お客様が拾った物は、速やかにスタッフに渡してもらう
  • スタッフが見つけた物は、お店として預かった物として扱う

気づいたら最初にすること|記録と保管

忘れ物に気づいたら、まず「いつ、どこで、何を、誰が見つけたか」を記録し、決まった場所で大切に保管することが基本です。

遺失物法第15条は、施設占有者は物件を返還または提出するまで、善良な管理者の注意をもって取り扱わなければならないとしています。高価な物や個人情報が入った物は、鍵のかかる引き出しなどで管理し、誰でも触れる場所に置いたままにしないようにしましょう。

記録には、見つけた日時、場所(セット面の番号、待合、トイレなど)、物の種類と特徴、見つけたスタッフの名前を書きます。その時間帯に来店していたお客様が分かれば、持ち主の見当をつけやすくなります。記録のための簡単な台帳を用意しておくと、スタッフが替わっても対応がぶれません。

お客様など第三者が拾って届けてくれた場合は、遺失物法第14条により、拾った人から求められたときは、物件の種類と特徴、受け取った日時、施設の名称と所在地、施設占有者の氏名を書いた書面を渡さなければなりません。警察の案内には預り書などの書式が用意されていることもあるため、管轄の警察のホームページを確認しておくと安心です。

【要点まとめ】
  • 見つけた日時・場所・物の特徴・見つけた人を記録する
  • 返還か提出までは、善良な管理者の注意をもって保管する
  • 高価な物や個人情報が入った物は、鍵のかかる場所で管理する
  • 届けてくれた人から求められたら、受け取りの書面を渡す

お客様への連絡|持ち主に返せれば警察への提出は不要

持ち主が分かれば、速やかに連絡して返すのが基本で、返還できれば警察に提出する必要はありません。

遺失物法第13条は、拾った人から物件を受け取った施設占有者は、速やかに、その物件を遺失者に返還するか、警察署長に提出しなければならないと定めています。予約情報から来店したお客様を確認できる場合は、まずは持ち主と思われるお客様に連絡を取ることになります。

連絡の際は、物の特徴をすべて伝えるのではなく、「本日、セット面にアクセサリーのお忘れ物がありましたが、お心当たりはありませんか」のように、大まかに伝えてお客様に特徴を確認してもらうと、取り違えを防げます。受け取りに来てもらうときは、本人であることを確認し、返した日時と相手を記録に残しましょう。

郵送で返してほしいと頼まれることもあります。その場合は、送料の負担、送り先の確認方法、破損や紛失のリスクについて事前にお客様と合意しておくことが大切です。お客様の連絡先は予約の受付のために預かっている情報なので、忘れ物の連絡に使う範囲にとどめ、取り扱いには注意しましょう。

あわせて読みたい:
【要点まとめ】
  • 施設占有者は、速やかに持ち主に返すか警察署長に提出する
  • 予約情報から持ち主と思われるお客様に連絡する
  • 特徴は大まかに伝え、お客様に確認してもらって取り違えを防ぐ
  • 返した日時と相手を記録し、郵送時は条件を事前に合意する

警察に届けるとき|1週間を過ぎると権利を失う

持ち主が分からない、または連絡がつかない場合は警察署に提出しますが、見つけた日(お客様から届けられた場合は受け取った日)から1週間以内に提出しないと、施設占有者としての権利を失う点に注意が必要です。

遺失物法第34条は、物件を受け取り、または自ら拾った日から1週間以内に警察署長に提出しなかった施設占有者は、費用や報労金を請求する権利と、所有権を取得する権利を失うと定めています。埼玉県警察の案内でも、差し出しを受けた日から7日以内に警察署長に提出するよう求めています。「もう少し待てば連絡が来るかもしれない」と保管を続けているうちに期限を過ぎないよう、提出の判断をする日を決めておきましょう。

警察に提出された物件は、警察署長が公告し、公告から3か月以内に持ち主が判明しない場合は、拾った人が所有権を取得するとされています。ただし、所有権を取得した日から2か月以内に引き取らないと、その所有権は失われます。持ち主に返還された場合、拾った人は物件の価格の5%以上20%以下の報労金を請求でき、施設内で拾った物は、拾った人と施設占有者がその半分ずつを受け取る仕組みです。この請求は、返還から1か月を過ぎるとできなくなります。

提出の手続きや書式は都道府県警察によって異なり、オンラインで手続きできる場合もあります。お店の所在地を管轄する警察署の案内を事前に確認しておくと、慌てずに対応できます。

【要点まとめ】
  • 見つけた日・受け取った日から1週間以内に提出しないと、施設占有者の権利を失う
  • 警察の公告から3か月以内に持ち主が分からなければ、所有権を取得できる
  • 所有権を得ても、2か月以内に引き取らないと失われる
  • 報労金は物件の価格の5〜20%で、施設内では拾った人と施設占有者で半分ずつ

スマートフォンなど個人情報が入った物と、傘など安価な物の扱い

スマートフォンやカード、身分証明書など個人情報が記録された物は、持ち主が見つからなくても拾った側が所有権を得られず、傘などの安価な物も、サロンが自分で処分してよいという規定はありません。

遺失物法第35条は、個人の身分や権利を証する文書、個人の秘密に属する事項が記録された物、持ち主の住所や連絡先が記録された物などについて、拾った人が所有権を取得できないとしています。警察庁は、クレジットカード、身分証明書、携帯電話をその例として挙げています。こうした物は、早めに警察に提出するのが基本です。

サロンで多いのが、傘やヘアゴム、ヘアピンなどの安価な忘れ物です。遺失物法では、傘や衣類などを一定期間後に売却できる規定がありますが、売却できるのは警察署長と特例施設占有者に限られています。特例施設占有者は、鉄道やバスなどの運送事業者のほか、都道府県公安委員会の指定を受けた百貨店などの施設で、指定を受けていない一般のサロンはこれに当たりません。そのため、「安い物だから」と店で処分してしまうのは避け、返還か提出のどちらかで対応しましょう。

傘の忘れ物が多い場合は、雨の日に「傘のお忘れにご注意ください」と声をかけたり、傘立ての位置を会計の近くにしたりと、忘れ物そのものを減らす工夫も効果的です。

あわせて読みたい:
【要点まとめ】
  • 個人情報が記録された物は、拾った側が所有権を取得できない
  • クレジットカードや身分証明書、携帯電話は早めに警察に提出する
  • 傘などを売却できるのは警察署長と特例施設占有者に限られる
  • 声かけや傘立ての配置で、忘れ物そのものを減らす

スタッフで共有したい忘れ物の対応ルール

忘れ物の対応は、誰が見つけても同じ手順で進められるよう、お店のルールとして文書にしておくことが大切です。

ルールに入れておきたいのは、次の項目です。見つけたらすぐに記録する台帳の場所と書き方。保管する場所と、高価な物・個人情報が入った物の扱い。お客様へ連絡する担当者と、連絡の言い回し。返還するときの本人確認と記録。警察に提出する判断の期限(見つけた日から1週間以内)と、提出の担当者。郵送で返す場合の条件です。

あわせて、施術の終わりにセット面や待合を確認する習慣をつけると、お客様が帰る前に忘れ物に気づけます。会計時に「お忘れ物はございませんか」と一言添えるのも、シンプルですが効果のある方法です。

忘れ物の対応がていねいなお店は、お客様にとって安心できるお店でもあります。連絡を受けたお客様が「ちゃんと保管してくれていた」と感じれば、信頼にもつながります。ルールを作ったら、新しく入ったスタッフにも必ず伝え、定期的に台帳の運用を見直しましょう。

あわせて読みたい:
【要点まとめ】
  • 記録・保管・連絡・返還・提出の手順を文書にしておく
  • 警察への提出の判断期限と担当者を決める
  • 施術後の確認と会計時の声かけで、忘れ物を減らす
  • 新しいスタッフにも共有し、台帳の運用を定期的に見直す

まとめ:記録して、速やかに返すか届ける

サロンでのお客様の忘れ物は、①遺失物法上の物件で、サロンは施設占有者として扱われ、②見つけたら記録してていねいに保管し、③持ち主が分かれば速やかに連絡して返し、④分からなければ見つけた日(受け取った日)から1週間以内に警察署に提出し、⑤個人情報が入った物や傘などの安価な物も店で処分しない、という流れで対応します。

まずは、今お店で保管している忘れ物がないかを確認し、見つけた日が分かる物から順に、返還か警察への提出を進めてください。そのうえで、記録用の台帳と対応ルールを整え、スタッフ全員で共有しましょう。

よくある質問(FAQ)

Q. お客様の忘れ物はいつまで店で保管すればいいですか?
A. 遺失物法では、施設占有者は速やかに持ち主に返すか、警察署長に提出しなければならないとされています。また、見つけた日(届けられた場合は受け取った日)から1週間以内に提出しないと、費用や報労金を請求する権利などを失います。持ち主が分からない、連絡がつかない場合は、1週間を目安に提出の判断をするよう決めておくと安心です。
Q. スタッフが店内で見つけた忘れ物は誰が拾ったことになりますか?
A. 長野県警察の案内では、施設の従業員が落とし物を拾った場合、拾得者は拾った個人ではなく施設占有者になるとされています。つまり、サロンのスタッフが見つけた忘れ物は、お店として預かった物として扱います。スタッフが個人で持ち帰ったり処分したりしないよう、記録と保管の手順を共有しておきましょう。
Q. 忘れ物の傘は一定期間たったら処分してもいいですか?
A. 遺失物法には傘や衣類などを売却できる規定がありますが、売却できるのは警察署長と、鉄道などの運送事業者や公安委員会の指定を受けた施設といった特例施設占有者に限られます。一般のサロンが自分の判断で処分してよいという規定はありません。持ち主に返すか、警察署に提出して対応しましょう。
Q. 忘れられたスマートフォンは店のものになりますか?
A. なりません。遺失物法第35条により、個人の秘密に属する事項や連絡先が記録された物などは、持ち主が見つからなくても拾った側が所有権を取得できないとされています。警察庁は携帯電話やクレジットカード、身分証明書を例に挙げています。持ち主に連絡がつかない場合は、早めに警察署に提出しましょう。

資料請求はこちら

currency_yen料金 summarize機能概要person_pin導入事例

会社名・店舗名
業種
ご担当者名
都道府県
電話番号
メールアドレス
ご質問・ご要望

下記の個人情報の取り扱いに同意します






基本的なサロン管理機能はもちろん
他にはない機能が多数そろっています。

description 今すぐ資料ダウンロード