美容室のシャンプー台の選び方|種類・価格帯・設置の注意点
更新日:2026年7月27日
シャンプー台は、美容室の設備投資のなかでも金額が大きく、あとから交換しづらい「動かせない買い物」です。選び方の軸はスペックの高さではなく、自店のメニュー戦略に合っているかどうか。この記事では、シャンプー台の種類と価格帯の目安、新品・中古・リースの判断軸、そして給排水工事や搬入経路など設置前に必ず確認したいポイントを、開業・改装のどちらにも使える形で整理します。
- シャンプー台は「メニュー戦略に合うか」で選ぶのが基本です。
- 主な種類はサイド・バック・リクライニング・フルフラットの4タイプです。
- 価格は1台数十万円台からと幅があり、フルフラットほど高額になるのが一般的です。
- 本体価格だけでなく給排水工事・搬入・床の防水などの費用も見込む必要があります。
- 設置基準は自治体により異なるため、内装工事前に管轄保健所への確認が欠かせません。
シャンプー台の主な種類|4タイプの特徴
ひとくちにシャンプー台といっても、構造によって使い勝手は大きく変わります。まず全体像として、代表的な4タイプを押さえましょう。
「サイドシャンプー」は、スタッフがお客様の横に立って洗うタイプです。省スペースで価格も比較的抑えめなため、昔ながらの店舗や限られた面積のサロンで使われてきました。「バックシャンプー」は後方に立って洗うタイプで、お客様と向かい合わないぶん施術しやすく、現在の主流です。「リクライニング」は座面や背もたれが電動・手動で倒れるタイプで、姿勢の負担が少なく幅広い客層に対応できます。そして「フルフラット」は、体全体がほぼ水平に倒れるタイプ。寝たままの姿勢で施術できるため、ヘッドスパやロングコースのメニューと相性が抜群です。
- サイドは省スペース・低コスト、バックは施術のしやすさで現在の主流です。
- リクライニングは客層を選ばず、幅広いメニューに対応できます。
- フルフラットはヘッドスパなど「くつろぎ系メニュー」との相性が際立ちます。
価格帯の目安|本体以外にかかる費用も忘れずに
気になる価格は、タイプとグレードでかなりの幅があります。あくまで目安ですが、サイドやシンプルなバックシャンプーで1台20万〜50万円前後、電動リクライニングで50万〜100万円前後、フルフラットの上位モデルでは100万円を超えるものも珍しくない、というのが一般的な相場感です。
見落としやすいのが本体以外の費用です。シャンプー台は給水・排水・給湯の配管工事が必須で、設置位置によっては床の防水工事や電源工事も発生します。配管を新設する場合、工事費だけで数十万円規模になることもあるため、見積もりは「本体+工事費+搬入費」のセットで比較するのが鉄則です。台数を増やすほど配管も増えるので、開業時は「セット面の数に対してシャンプー台は何台必要か」を回転率から逆算して決めると、過剰投資を避けられます。
あわせて読みたい:- 本体価格はタイプにより20万円前後から100万円超まで幅があるのが一般的です。
- 給排水・給湯の配管工事や床の防水など、本体以外の費用が必ず発生します。
- 見積もりは「本体+工事費+搬入費」のセットで比較します。
メニュー戦略から逆算する選び方
カタログを眺める前に、自店の売り方を言葉にしてみてください。選ぶべき台は、そこからほぼ自動的に決まります。
たとえば、カット中心で回転数を重視する店なら、洗いやすさと耐久性を優先したバックシャンプーが合理的です。カラーやトリートメントの比率が高く、単価を上げたい店なら、放置時間もくつろいで過ごせるリクライニングが候補になります。ヘッドスパを看板メニューに育てたい店なら、フルフラットは投資に見合う選択肢です。実際、スパ需要の高まりとともにフルフラット台を導入するサロンは増えており、「シャンプー台が接客の質を決める設備」と捉えられるようになってきました。
客層も判断材料になります。ご高齢のお客様が多い店では、乗り降りのしやすさや首への負担の少なさが重要ですし、小さなお子様連れが多い店では座面の高さ調整が効くタイプが安心です。
- 回転数重視ならバック、単価アップ狙いならリクライニングが候補です。
- ヘッドスパを看板にするならフルフラットが投資に見合います。
- 客層(年齢層・子連れ比率)も乗り降りのしやすさ等の判断材料になります。
新品・中古・リースの判断軸
調達方法は新品購入だけではありません。中古とリースを含めた3択で考えると、資金計画の自由度が上がります。
新品は保証とメーカーサポートが手厚く、長く使う前提なら結局割安になることが多い選択です。中古は価格が新品の半額以下になることもあり初期費用を抑えられますが、モーターや配管部品の消耗度が見えにくく、保証期間の有無と部品供給の継続性を必ず確認したいところです。リースは初期費用を月額に平準化でき、開業時に現金を残せるのが利点ですが、総支払額は購入より多くなるのが通常です。
判断の軸は「その台を何年使うつもりか」。5年以上使う主力の台は新品、席数調整のための2台目以降は中古、開業資金がタイトな場合はリース、というように、役割ごとに組み合わせる考え方が現実的です。
あわせて読みたい:- 新品は保証重視・長期使用向き、中古は初期費用を抑えたい場合の選択肢です。
- 中古は保証の有無と部品供給の継続性の確認が必須です。
- 「何年使うか」を軸に、役割ごとに新品・中古・リースを組み合わせます。
設置前に確認すること|給排水・搬入・保健所基準
機種が決まっても、すぐに発注してはいけません。設置できるかどうかの確認が残っています。
第一に給排水の位置です。既存の配管から遠い場所に設置すると工事費が跳ね上がるため、レイアウトは配管位置とセットで考えます。第二に搬入経路です。シャンプー台は大型で重量もあるため、入口の幅・エレベーターのサイズ・階段の曲がりを事前に採寸しておかないと、当日搬入できないという事故が起こり得ます。第三に保健所の基準です。美容所の構造設備基準は自治体ごとに細部が異なり、作業面積や給湯設備、床材の仕様が関わる場合があります。内装工事の前に図面を持って管轄保健所へ事前相談しておくと、手戻りを防げます。
なお、こうした設備まわりの準備と並行して、予約の受け皿づくりも開業前に進めておきたい項目です。ヘッドスパのような時間の読みにくいメニューは、メニューごとの施術時間を設定できるネット予約と相性がよく、開業初日から予約枠を整えた状態でスタートできます。
- レイアウトは給排水の配管位置とセットで決めると工事費を抑えられます。
- 入口幅・エレベーター・階段など搬入経路の採寸を発注前に行います。
- 構造設備基準は自治体で異なるため、内装工事前に保健所へ事前相談します。
長く使うためのメンテナンスと買い替えサイン
シャンプー台は導入して終わりではなく、手入れ次第で寿命が大きく変わる設備です。日々のケアは難しいものではありません。営業後に排水口の毛髪キャッチャーを清掃する、ボウルを中性洗剤で拭き上げる、レバーやホースの根元の水気を残さない。この3つを閉店作業に組み込むだけで、詰まりや水漏れの多くは防げます。
あわせて、月に一度はシャワーヘッドの目詰まりとパッキン類のひび割れを点検しましょう。「お湯の出が偏る」「レバーが固い」「モーター音が大きくなった」といった変化は故障の前兆で、部品交換で済むうちに手を打てば費用は小さく収まります。逆に、水漏れを放置して床材まで傷めると、修繕は台本体の話では済みません。
買い替えの目安としては、修理部品の供給が終了したとき、修理費が新品価格の3〜4割を超えるようになったときが一つの判断ラインです。減価償却の耐用年数を過ぎた台がすぐ使えなくなるわけではありませんが、改装やメニュー刷新のタイミングと重ねて更新計画を立てておくと、突然の故障で営業が止まる事態を避けられます。
- 排水口清掃・ボウル拭き上げ・水気除去を閉店作業に組み込みます。
- お湯の偏り・レバーの固さ・異音は故障の前兆で、早期の部品交換が安上がりです。
- 部品供給の終了や修理費が新品の3〜4割超が買い替え検討のラインです。
まとめ
シャンプー台選びは、種類やグレードの比較から入ると迷子になります。順番は逆で、まず自店のメニュー戦略と客層を言葉にし、そこからタイプを絞り、予算に応じて新品・中古・リースを組み合わせる。最後に給排水・搬入・保健所基準を確認してから発注する。この流れなら大きな失敗はありません。開業準備全体の資金計画や什器の揃え方は、関連記事もあわせて参考にしてください。あわせて、開業初日から予約・顧客管理を整えておきたい方向けの資料もご用意しています。
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