未成年のお客様の予約・施術ルール|保護者同意が必要な場面と同意書の作り方
更新日:2026年10月12日
中学生や高校生のお客様から、まつげエクステやカラーの予約が入ったとき、「保護者の同意は必要なのか」「何歳から一人で受けられるのか」と迷うことはありませんか。未成年のお客様の扱いは、法律で決まっていることと、お店がルールとして決めることを分けて考えると整理しやすくなります。この記事では、成年年齢と未成年者取消権の基本、施術の年齢制限の有無、保護者同意を求める場面の決め方、同意書の作り方、予約受付での伝え方を解説します。
- 民法では18歳から成年で、2022年4月1日から成年年齢が20歳から18歳に引き下げられています。
- 未成年者が法定代理人(多くは親)の同意を得ずに結んだ契約は、原則として取り消すことができます。
- 美容師法には、未成年への施術に保護者の同意を義務づける規定は見当たりません。どこまで同意を求めるかはお店のルールとして決めます。
- 同意を求める場面と確認の方法を決め、予約ページや受付で事前に伝えておくとトラブルを防げます。
未成年は何歳まで?|成年年齢は18歳
民法では18歳から成年とされているため、サロンで「未成年のお客様」として配慮が必要になるのは、17歳以下のお客様です。
民法第4条は「年齢十八歳をもって、成年とする。」と定めています。以前は20歳でしたが、法務省によると、成年年齢を18歳に引き下げる改正民法が2022年4月1日から施行されています。
法務省は、18歳・19歳の人は親の同意を得ずにさまざまな契約をすることができるようになったと説明しています。民法は年齢で成年を定めているため、たとえば高校3年生でも18歳になっていれば、契約の面では成年として扱われます。お店のルールを「20歳未満は同意書」のまま運用していないか、一度確認しておくとよいでしょう。
一方で、法律上は成年でも、学校の決まりや家庭の方針でカラーやまつげエクステを控えている場合もあります。年齢だけで機械的に判断するのではなく、カウンセリングで本人の事情を聞く姿勢も大切です。お店として守るべき法律上の線と、お客様に寄り添う接客は、分けて考えると整理しやすくなります。
- 民法では18歳から成年
- 成年年齢の引き下げは2022年4月1日から施行
- 18歳・19歳は親の同意なしに契約できる
- 「20歳未満は同意書」のような古いルールが残っていないか確認する
保護者の同意が問題になる理由|未成年者取消権のしくみ
未成年のお客様に保護者の同意が問題になるのは、未成年者が親の同意なしに結んだ契約は、原則として後から取り消すことができるからです。
民法第5条は、未成年者が法律行為をするには法定代理人の同意を得なければならず、同意を得ないで行った法律行為は取り消すことができると定めています。政府広報オンラインも、未成年者が親の同意を得ずに契約した場合には「未成年者取消権」によって契約を取り消すことができると説明しています。
ただし、すべての支払いが取り消しの対象になるわけではありません。民法第5条第3項は、法定代理人が目的を定めて処分を許した財産は、その範囲内で未成年者が自由に処分できるとしています。お小遣いの範囲で支払える施術であれば、問題になりにくいと考えられます。反対に、回数券やコースのように金額が大きい契約は、取り消しが問題になりやすい場面です。
取り消された契約は、初めから無効だったものとみなされます。未成年者が返す範囲は、現に利益を受けている限度とされています。また、未成年者が成年であると信じさせるために詐術を用いたときは取り消すことができない、という規定もありますが、どのような場合に詐術にあたるかは状況によって判断されます。年齢を口頭で聞いただけで安心せず、金額の大きい契約は保護者の同意を確認するほうが安全です。
- 未成年者が親の同意なしに結んだ契約は、原則として取り消せる
- お小遣いなど処分を許された範囲の支払いは問題になりにくい
- 回数券やコースなど高額な契約は取り消しが問題になりやすい
- 口頭の年齢確認だけに頼らず、高額な契約は保護者の同意を確認する
美容の施術に法律上の年齢制限はある?
美容師法には、未成年のお客様への施術に年齢制限を設けたり、保護者の同意を義務づけたりする規定は見当たりません。そのため、どこまで同意を求めるかは、お店のルールとして決めることになります。
美容師法は、美容師でなければ美容を業としてはならないことや、美容所の衛生管理などを定めた法律で、お客様の年齢による区別は条文に出てきません。厚生労働省は、まつげエクステンションは美容行為であり、業として行うには美容師の免許が必要としています。このページでも、年齢についての決まりには触れられていません。
ただ、法律で決まっていないからといって、何も決めなくてよいわけではありません。まつげエクステやカラー、パーマのように薬剤を使う施術では、肌や目のトラブルが起きる可能性があります。国民生活センターも、まつげエクステについて、健康被害のリスクについて十分な説明を受けることや、異常があれば直ちに医療機関を受診することを呼びかけています。未成年のお客様の場合、トラブルが起きたときに保護者が施術の内容を知らなかった、ということになりやすい点に注意が必要です。
そのため、施術の内容や金額に応じて、保護者の同意を求めるルールを設けておくと安心です。お店として「なぜ同意を求めるのか」を説明できるようにしておくと、お客様にも納得してもらいやすくなります。
- 美容師法に、未成年への施術の年齢制限や保護者同意の規定は見当たらない
- まつげエクステは美容行為で、美容師の免許が必要
- 薬剤を使う施術ではトラブルの可能性を踏まえて考える
- 同意を求める理由をお店として説明できるようにしておく
保護者同意を求める場面の決め方
保護者の同意を求める場面は、「契約の金額」と「施術のリスク」の2つの軸で決めると、スタッフが迷わず運用できます。
契約の金額の軸では、回数券、コース、物販のまとめ買いなど、1回の支払いが大きくなる契約を同意の対象にします。カットのように1回ごとの支払いで済む施術は、同意を求めない、あるいは初回だけ確認する、といった線引きが考えられます。
施術のリスクの軸では、カラー、パーマ、ブリーチ、まつげエクステ、まつげパーマなど、薬剤や接着剤を使う施術を対象にするかを検討します。パッチテストを行う施術や、肌トラブルの既往があるお客様への施術も、保護者に事前に知ってもらう意味があります。
決めた内容は、「中学生以下は保護者の同伴または同意書が必要」「高校生は薬剤を使う施術と回数券の購入時に同意書が必要」のように、年齢の区切りと施術・契約の種類を組み合わせて、一覧にしておくと分かりやすくなります。年齢の区切りやどの施術を対象にするかは、お店の業種や客層によって変わるため、自店に合った形で決めましょう。
あわせて読みたい:- 同意を求める場面は「契約の金額」と「施術のリスク」で決める
- 回数券やコースなど高額な契約は同意の対象にする
- 薬剤や接着剤を使う施術を対象にするかを検討する
- 年齢の区切りと施術・契約の種類を組み合わせて一覧にする
同意書の作り方|載せる項目と確認の流れ
保護者の同意書は、「誰が」「どの施術・契約に」「何を理解したうえで」同意したのかが後から分かる形で作ることが大切です。
載せておきたい項目は、次のとおりです。お客様(未成年者)の氏名と生年月日。保護者の氏名、続柄、連絡先。同意する施術や契約の内容と金額。施術に伴う注意点(薬剤によるかぶれの可能性、施術後の過ごし方など)。施術当日の体調やアレルギーの申告。同意した日付と保護者の署名です。
回数券などの継続的な契約では、有効期限や途中で解約した場合の扱いも書いておくと、後の行き違いを防げます。同意書の文面は、専門用語を避け、保護者が初めて読んでも内容が分かる言葉で書きましょう。
確認の流れも決めておきます。予約時に同意書が必要であることを伝え、事前に記入してきてもらうか、来店時に保護者に同伴してもらいます。保護者が同伴できない場合に、電話で意思を確認するかどうかもルールにしておくと、当日の判断で迷いません。受け取った同意書は、個人情報として適切に保管します。紙で管理するのが大変な場合は、電子サインでの同意取得を検討するのも一つの方法です。
あわせて読みたい:- 誰が、どの施術・契約に、何を理解して同意したかが分かる形にする
- 施術の注意点や、回数券の有効期限・解約時の扱いも書いておく
- 保護者が初めて読んでも分かる言葉で書く
- 受け取った同意書は個人情報として適切に保管する
予約受付での確認と伝え方
未成年のお客様とのトラブルを防ぐには、来店してから伝えるのではなく、予約の段階でルールを知ってもらうことが大切です。
予約ページやホームページの「初めての方へ」に、「18歳未満のお客様は、○○の施術・回数券のご購入に保護者の同意書が必要です」と明記しておきましょう。同意書の書式をダウンロードできるようにしておくと、事前に準備してもらいやすくなります。予約の受付時に年齢や学年を確認し、該当する場合は同意書の持参を案内します。
当日、同意書がない場合の対応も決めておきます。同意が必要な施術は別の日に変更してもらう、同意の不要なメニューに切り替える、保護者に電話で確認する、などの選択肢を用意しておくと、お客様をがっかりさせずに済みます。
断る場面では、伝え方にも配慮が必要です。「規則なので」とだけ伝えるのではなく、「お肌に合わなかったときに保護者の方にもすぐ相談できるように」「大切な契約なので保護者の方にも内容を知っておいていただきたくて」のように、お客様を守るためのルールであることを添えると受け入れてもらいやすくなります。ルールは全スタッフで共有し、人によって対応が変わらないようにしましょう。
あわせて読みたい:- 予約ページや「初めての方へ」に同意が必要な条件を明記する
- 予約時に年齢を確認し、同意書の持参を案内する
- 同意書がない場合の代わりの選択肢を用意しておく
- お客様を守るためのルールであることを添えて伝える
まとめ:法律の線とお店のルールを分けて決める
未成年のお客様の扱いは、①民法では18歳から成年で、②17歳以下のお客様が親の同意なしに結んだ契約は原則として取り消すことができ、③美容師法には施術の年齢制限や保護者同意の規定は見当たらないため、④金額と施術のリスクで同意を求める場面をお店で決め、⑤同意書と予約時の案内で事前に伝えておく、という流れで整理できます。
まずは、今の受付ルールが「20歳未満」のままになっていないか、回数券やコースの販売時に年齢を確認しているかを点検してみてください。そのうえで、同意書の書式と予約ページの案内文を整えましょう。
よくある質問(FAQ)
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