サロンのステマ規制対応|口コミ・PRの表記ルールとNG表現
サロンのステマ規制対応|口コミ・PR投稿で避けるべき表現と表記ルール

サロンのステマ規制対応|口コミ・PR投稿で避けるべき表現と表記ルール

更新日:2026年7月6日

「口コミを書いてくれたら次回割引します」「スタッフが一般のお客様のふりでレビューを投稿」——。良かれと思った集客の工夫が、実はステルスマーケティング(ステマ)規制に触れているかもしれません。2023年10月から、ステマは景品表示法違反として明確に規制されています。そして責任を問われるのは、依頼を受けた側ではなく、依頼した事業者=サロン側です。この記事では、何がNGで何がセーフなのか、口コミやPRを安全に運用するための線引きを整理します。

【大事なこと】
  • ステマ規制は2023年10月1日から、景品表示法違反として運用されています。
  • 規制の対象は広告主(事業者=サロン側)。依頼された投稿者は原則対象外です。
  • 事業者が関与・対価を出した投稿は、広告だと分かる表示が必要です。
  • 「#PR」は付ければ良いわけではなく、埋もれず明瞭に分かることが条件です。
  • 違反するとまず措置命令。罰則はその命令に従わない場合に科されます。

その口コミ施策、ステマになっていませんか

集客のために、お客様やインフルエンサーに口コミ・投稿をお願いする。よくある手です。けれど、やり方しだいでは規制の対象になります。

たとえば、スタッフが一般客を装って自店に高評価レビューを書く。インフルエンサーに費用や商品を渡して、それを伏せたまま『個人的なおすすめ』として紹介してもらう。割引と引き換えに好意的な口コミを依頼し、店が関わっている事実を隠す。これらはいずれも、消費者から見て『広告だと分からない広告』であり、ステマに当たり得ます。

ポイントは、お客様が『これは店の宣伝だ』と気づけるかどうか。気づけないまま中立な感想だと思わせるなら、それは規制の射程に入ります。集客の現場で何気なくやっていたことが、知らずに一線を越えていないか、一度点検してみる価値があります。

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【要点まとめ】
  • 客を装った自作レビューや関与を隠したPRはステマに当たり得ます。
  • 判断軸は「店の宣伝だと消費者が気づけるか」です。
  • 日常の口コミ施策が一線を越えていないか点検します。

ステマ規制とは何か——対象は「事業者」

ステマ規制は、2023年10月1日に始まりました。景品表示法に基づき、『一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示』が不当表示として禁止されています。

ここで最も大事なのは、規制の対象が広告主、つまり商品やサービスを提供する事業者=サロン側だという点です。依頼を受けて投稿したインフルエンサーやお客様は、原則として規制の対象になりません。『インフルエンサーが罰せられるのでは』という心配は的外れで、責任を負うのは依頼した店のほうです。

対象はSNSやレビューサイトに限りません。事業者が関与した表示で、消費者が広告と判別しにくいものは、媒体を問わず規制されます。だからこそ、自店がどんな形で口コミや投稿に関わっているかを、店側が責任を持って管理する必要があります。

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【要点まとめ】
  • 2023年10月施行、景表法上の不当表示として規制されています。
  • 対象は広告主(サロン側)で、投稿者は原則対象外です。
  • 責任を負うのは依頼した店のほうだと理解します。

ありがちなNGと、セーフの境界

では、具体的に何がアウトで、何ならセーフなのか。境界を整理しておきましょう。

NG寄りなのは、店が関与・対価を出しているのに、それを隠す投稿です。報酬や商品提供をしてのPRを『広告』と明かさない、内容を店が指示・添削して中立な感想に見せる、スタッフの身内投稿を一般客のレビューに見せかける、高評価を条件に割引する——このあたりは要注意です。

一方でセーフなのは、お客様が対価も依頼もなく自発的に書いた純粋な感想です。これは事業者の表示ではないので、規制の対象になりません。つまり、『口コミをお願いすること』自体が一律ダメなのではなく、店の関与や見返りを隠すかどうかが分かれ目になります。お願いするにしても、内容や評価を店がコントロールしないことが前提です。

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【要点まとめ】
  • 関与・対価を隠した投稿、自作自演、見返り条件の依頼はNG寄りです。
  • 対価も依頼もない自発的な感想はセーフです。
  • 分かれ目は「店の関与・見返りを隠すか」です。

「#PR」は、付ければいいわけではない

『広告なら#PRを付ければOK』——半分正解で、半分は危うい理解です。たしかに、事業者が関与した投稿には広告だと分かる表示が必要ですが、付け方が肝心です。

消費者庁の考え方では、表示があっても、それが不明瞭だったり他の情報に埋もれていたりすれば、『判別困難』と評価され得ます。大量のハッシュタグの末尾にこっそり『#PR』を紛れ込ませる、折りたたみの中に小さく書く、分かりにくい言い回しでぼかす。こうした見せ方は、形式的に表記があっても不十分とされかねません。

安全なのは、投稿の冒頭など目に入りやすい位置に、はっきりした言葉で示すこと。『広告』『PR』『○○社から提供を受けて投稿しています』など、誰が見ても広告だと分かる形にします。インフルエンサーに依頼する際は、こうした表示を必ず守ってもらうよう、事前に取り決めておくことが欠かせません。

【要点まとめ】
  • 広告表示は必要ですが、明瞭で目立つことが条件です。
  • ハッシュタグの末尾や折りたたみに埋もれる表記は不十分です。
  • 依頼時に広告表示のルールを事前に取り決めます。

違反するとどうなる——順序を正しく理解する

『ステマをしたら即罰金・逮捕』というイメージがありますが、これは正確ではありません。順序を押さえておきましょう。

違反が認められた場合、まず行われるのは措置命令という行政処分です。違反の差し止めや再発防止、周知などを命じるもの。罰則(拘禁刑や罰金)が科されるのは、この措置命令に従わなかった場合です。命令違反に対しては罰金などが定められ、法人に対しても罰金が科され得ます。

また、ステマ規制は景表法のなかでも課徴金の対象ではありません(課徴金は優良誤認・有利誤認が対象)。とはいえ、措置命令を受ければ店名が公表され、信用への打撃は小さくありません。罰金の有無以前に、『広告だと隠していた店』という評判そのものが、サロンにとって最大のリスクだと考えるべきです。

【要点まとめ】
  • 違反ではまず措置命令(行政処分)が行われます。
  • 罰則は措置命令に従わなかった場合に科されます。
  • ステマは課徴金対象外ですが、信用毀損が最大のリスクです。

安全に、そして効果的に口コミを増やすには

規制を恐れて口コミ施策をやめる必要はありません。正しく運用すれば、口コミは今も強力な集客資産です。

基本は、お客様の自発的な投稿を後押しすること。良い体験をしてもらい、『よろしければ感想を聞かせてください』とお願いする。ここで評価の方向を指定したり、見返りで誘導したりしないのがコツです。お客様が自分の言葉で書いた感想は、規制の対象にならないうえ、読み手にも本物として伝わります。

もしインフルエンサーやモニターを使うなら、最初に広告表示のルールを共有し、内容は本人に委ねる。紹介制度を設計する際も、見返りと口コミ評価を直接結びつけない形にしておくと安全です。誠実な運用は、規制対策であると同時に、長く信頼される店づくりそのものでもあります。

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【要点まとめ】
  • 自発的な投稿を後押しし、評価の方向や見返りで誘導しません。
  • インフルエンサー活用時は広告表示を徹底し内容は委ねます。
  • 誠実な運用は規制対策であり、信頼される店づくりです。

まとめ|隠さないことが、最大の対策

ステマ規制への対応は、突き詰めれば『店の関与を隠さないこと』に尽きます。対価や依頼があるなら広告だと明瞭に示す。お客様には自発的な感想をお願いし、評価や見返りでコントロールしない。インフルエンサーには表示ルールを守ってもらう。これだけで、ほとんどのリスクは避けられます。規制の対象は事業者であるサロン側だからこそ、現場の口コミ施策を一度棚卸しし、隠れた『関与』がないか点検してみてください。判断に迷うケースは、消費者庁の運用基準や専門家の確認を活用すると安心です。

FAQ|サロンのステマ規制のよくある質問

Q. お客様に口コミをお願いすること自体がダメなのですか?
A. いいえ。口コミのお願い自体は可能です。問題になるのは、店の関与や見返りを隠して中立な感想に見せること。評価の方向を指定せず、見返りで誘導せず、内容を本人に委ねる形であれば、自発的な感想として扱えます。

Q. インフルエンサーも罰せられますか?
A. 原則として対象外です。ステマ規制の対象は広告主=事業者(サロン側)であり、依頼を受けた投稿者は原則責任を問われません。だからこそ、依頼する店側が広告表示のルールを徹底する責任を負います。

Q. 「#PR」を付けていれば大丈夫ですか?
A. 付ければ良いわけではありません。表示が不明瞭だったり、大量のタグや折りたたみに埋もれていたりすると不十分とされ得ます。投稿の冒頭など分かりやすい位置に、はっきりした言葉で広告と示すことが必要です。

Q. ステマをするとすぐ罰金になりますか?
A. いいえ。まず措置命令という行政処分が行われ、罰則はその命令に従わなかった場合に科されます。またステマ規制は課徴金の対象ではありません。ただし措置命令による店名公表など、信用面のダメージは大きい点に注意が必要です。

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