
常連さんが減った?リピートが戻る”次回予約”の声かけ術
更新日:2025年10月6日
「最近、常連のお客様が来なくなった気がする…」そんな悩みを抱えるサロンオーナーの皆様へ。実は、お客様がサロンを離れる理由の多くは技術や接客の不満ではありません。調査によると、再来店しない最大の理由は「サロンのことを忘れている」ことなのです。
本記事では、お客様との関係性を継続し、安定したリピート率を実現する「次回予約」の効果的な声かけ術をお伝えします。業界平均30%のリピート率を50%以上に向上させ、売上の安定化を実現するための具体的なノウハウをご紹介いたします。
1.お客様が離れる本当の理由とは?
顕在化した不満は氷山の一角
多くのサロンオーナーは、お客様が離れる理由を技術的な問題や接客態度の悪さだと考えがちです。確かに「仕上がりが好みではない」「技術が悪い」という理由は、リピートしない理由の約50%を占めています。
しかし、これらは顕在化した不満であり、実際には潜在的な要因がより大きな影響を与えているのです。
「なんとなく」の正体を解明
お客様がサロンを離れる本当の理由として、以下のような「なんとなく」の心理が挙げられます:
・サロンのことを忘れている(最大の理由)
・期待通りではあったが、特別な感動がなかった
・他にもっと素敵なサロンがあるかもしれないという好奇心
・初回割引に魅力を感じて競合店に流れてしまう
新規のお客様は、まだサロンに対する強い愛着や帰属意識を持っていません。そのため、顧客がサロンを「忘れる」前に継続的な接点を持ち、再来店の動機を創出することが重要となります。
<要点>
・技術的不満は表面的な理由に過ぎない
・「忘れられること」が離客の最大要因
・新規客は競合店のオファーに流れやすい
・継続的な接点と動機創出が不可欠
2.次回予約が重要な理由
利益構造から見た次回予約の価値
新規顧客を獲得するコストは、既存顧客を維持するコストの約5倍と言われています。大手集客サイトへの掲載費用や割引キャンペーンに多額の投資が必要な一方、既存顧客の維持は接客やアフターフォローが中心となり、相対的にコストを抑えられます。
顧客生涯価値(LTV)の最大化
リピート顧客は単純な来店回数の増加だけでなく、以下のような価値をもたらします:
・より高額なメニューへの関心の高まり
・店内で販売されるホームケア商品の購入
・口コミによる新規顧客の紹介(紹介によるリピート率は約60%)
忘却防止としての次回予約
お客様の記憶から薄れる前に、次回の来店理由を明確にすることで以下の効果が期待できます:
・サロンを忘れることを防ぐ
・「次もここに来よう」という明確な動機の提供
・髪の悩み解決への継続的な意識付け
<要点>
・新規獲得コストは既存客維持の5倍
・リピート客は客単価とLTVが高い
・忘却防止が安定経営の鍵
・次回来店の明確な理由づくりが重要
3.効果的な次回予約の声かけタイミング
施術中の声かけポイント
施術中は、お客様との信頼関係を深める絶好の機会です。「いかがですか?」といった声かけを行うことで、お客様は感じた違和感を伝えやすくなり、満足度の高い仕上がりに繋がります。
この際、ホームケア商品を実際に試してもらい、その効果を体感していただくことで、髪の悩み解決への意識を高められます。
退店時がゴールデンタイム
最も効果的なタイミングは、お客様の満足度が最高潮に達している退店時です。この時期に以下のアプローチを行います:
メンテナンス周期の説明
「〇〇様の髪質でしたら、
○週間後にまたメンテナンスをすると、
この美しい状態を保てますよ」
季節やライフスタイルに合わせた提案
「次回は梅雨の前に、
湿気対策のトリートメントはいかがでしょうか?」
具体的な日程の提示
「来月の第二週あたりはいかがですか?」
仕上がり確認時の心理活用
お客様が鏡で仕上がりを確認されている瞬間は、満足感が最も高まるタイミングです。この瞬間を逃さず、次回のヘアスタイルの提案や、現在のスタイルを維持するためのメンテナンス計画をお話しします。
<要点>
・施術中の声かけで信頼関係を構築
・退店時が次回予約の最適タイミング
・メンテナンス周期を具体的に説明
・仕上がり確認時の満足感を活用
4.心に響く声かけフレーズ集
信頼関係を築く共感フレーズ
悩みに共感するフレーズ
・「私も同じような悩みを抱えていたことがあるので、お気持ちよく分かります」
・「〇〇様のような髪質の方によくご相談いただくお悩みですね」
・「確かに、この季節は髪がまとまりにくくて困りますよね」
専門性を伝えるフレーズ
・「〇〇様の髪質を拝見した結果、こちらの施術をおすすめいたします」
・「プロの目から見ると、ここの部分をもう少しケアすると理想的です」
次回予約を促す自然なフレーズ
メンテナンス提案型
・「今日の仕上がりを維持するためには、○週間後にメンテナンスをおすすめしています」
・「髪の成長サイクルを考えると、次回は○月頃がベストなタイミングですね」
・「この美しい状態をキープするために、定期的なメンテナンスはいかがでしょうか?」
季節・イベント提案型
・「梅雨に入る前に、湿気対策のケアをしませんか?」
・「年末年始に向けて、華やかなスタイルチェンジはいかがでしょう?」
・「新学期・新年度前に、新しい自分を演出してみませんか?」
特典提示型
・「次回のご予約をいただけましたら、ヘッドスパを○○%オフでご案内できます」
・「定期メンテナンスをお申し込みの方には、特別価格をご用意しております」
お客様タイプ別アプローチ
忙しいビジネスパーソン向け
・「お忙しい〇〇様のために、効率的なメンテナンススケジュールを組ませていただきました」
・「次回も同じお時間帯でご予約をお取りしておきましょうか?」
美容意識の高い方向け
・「〇〇様でしたら、最新のトレンドスタイルもお似合いになりそうですね」
・「話題の新技術を次回体験していただけるように、優先的にご案内いたします」
<要点>
・共感フレーズで信頼関係を構築
・メンテナンス必要性を理論的に説明
・季節やイベントと関連付けて提案
・お客様のタイプに合わせてアプローチ
5.デジタルツールを活用した予約促進
LINE公式アカウントの高度活用
LINEは高いメッセージ開封率を誇り、お客様との継続的な接点を確保する上で極めて強力なツールです。Lステップなどの外部ツールと組み合わせることで、以下のような高度な自動化が可能になります。
セグメント配信の活用
・最終来店日に基づく自動メッセージ配信
・誕生月などの特別な日のアプローチ
・お客様の属性に応じたパーソナライズ配信
ステップ配信の構築
・来店後お礼メッセージ(来店当日)
・アフターケアアドバイス(3日後)
・次回来店促進クーポン(3週間後)
・フォローアップメッセージ(6週間後)
予約管理システムの戦略的活用
24時間365日の予約受付により、お客様の思い立った瞬間を逃しません。また、予約リマインド機能により、うっかり忘れによるキャンセル率を大幅に削減できます。
実際の事例では、LINE連携の予約システム導入により、あるサロンでキャンセル率が60%も改善したケースが報告されています。
CRM(顧客管理システム)による個別最適化
CRMシステムにより、お客様の来店履歴、施術内容、好みなどを詳細に記録・分析できます。これにより以下のような施策が可能になります:
・来店パターンの分析による最適なアプローチタイミング
・個別最適化されたメニュー提案
・「自分のことを覚えてくれている」という特別感の演出
<要点>
・LINEの高開封率を活用した継続接触
・セグメント・ステップ配信で自動化
・24時間予約システムで機会損失防止
・CRMで個別最適化とパーソナライズ
次回予約を促進する特典設計
効果的な特典の種類
割引系特典
・次回予約特典:施術料金の10-20%オフ
・定期メンテナンス割引:3回セット予約で15%オフ
・誕生月特別価格:通常料金から30%オフ
付加価値系特典
・無料ヘッドスパの追加
・ホームケア商品のプレゼント
・新メニューの優先体験権
体験価値系特典
・プライベート時間の確保
・担当スタイリストの指名保証
・特別なアフターケアサービス
ポイントカード・メンバーズカード活用
単なる割引ツールではなく、お客様に「ポイントを貯める楽しみ」や「メンバーとして特別扱いされている」という意識を与えることが重要です。
特典を受けられるまでの期間を1-2年程度に設定することで、お客様は目標を持って来店を続けることができます。
紹介制度との連携
紹介による新規顧客のリピート率は約60%と非常に高く、紹介者も既存の優良顧客と価値観が似ているため、最初からサロンに定着しやすい特徴があります。
「紹介した側」と「紹介された側」の両方に特典を提供する仕組みを構築することで、既存顧客が自発的にサロンの広告塔となる効果が期待できます。
<要点>
・割引と付加価値を組み合わせた特典設計
・ポイントカードで継続来店の目標設定
・紹介制度でWin-Winの関係構築
・特典の価値を体感できる仕組みづくり
6.よくある失敗パターンと改善策
失敗パターン1:押し売り感のある提案
失敗例 「次回も必ず来てくださいね」「今すぐ予約を決めてください」
改善策 お客様の髪の状態や悩みを起点とした自然な提案に変更します。「○○様の髪質を維持するためには」という切り口で、メンテナンスの必要性を説明しましょう。
失敗パターン2:一律の対応
失敗例 すべてのお客様に同じタイミング、同じ内容で次回予約を提案
改善策 お客様の来店頻度、ライフスタイル、髪の悩みに応じてパーソナライズした提案を行います。忙しいビジネスパーソンには効率性を、美容意識の高い方には最新トレンドを訴求します。
失敗パターン3:特典に頼りすぎる
失敗例 大幅な割引のみで次回予約を促進
改善策 価格競争に巻き込まれず、サロンの技術力や付加価値を軸とした提案を行います。安易な割引は「初回荒らし」を引き寄せるリスクがあります。
失敗パターン4:フォローアップの欠如
失敗例 次回予約を取った後のコミュニケーションが途絶える
改善策 予約後も定期的なアフターフォローを継続し、お客様との関係性を維持します。LINEやメールでのケアアドバイスなどが効果的です。
<要点>
・押し売り感を避けた自然な提案
・お客様に応じたパーソナライズ対応
・価格競争から脱却した価値提案
・予約後のフォローアップ継続
まとめ
次回予約の成功は、お客様との信頼関係構築から始まります。技術的な満足度だけでなく、「忘れられない体験」と「継続的な関係性」を提供することで、安定したリピート率を実現できます。
デジタルツールを活用した効率的なアプローチと、人間味のある声かけを組み合わせることで、業界平均を大きく上回るリピート率の向上が可能です。まずは退店時の声かけから始めて、段階的にシステム化を進めていきましょう。
お客様一人ひとりとの長期的な関係性構築こそが、安定したサロン経営の基盤となります。
FAQ
Q1. 次回予約の声かけはいつ行うのが最適ですか?
A1. 最も効果的なタイミングは、お客様の満足度が最高潮に達している退店時です。仕上がりを確認していただいた直後に、メンテナンスの必要性と合わせて自然に提案することで、押し売り感を避けながら次回予約につなげることができます。施術中の声かけで信頼関係を築いておくことも重要なポイントです。
Q2. お客様に断られてしまうことが多いのですが、どう改善すればよいでしょうか?
A2. 断られる原因の多くは「押し売り感」にあります。改善策として、お客様の髪の状態や悩みを起点とした提案に変更しましょう。「○○様の髪質を維持するためには」という切り口で、メンテナンスの必要性を理論的に説明することが大切です。また、お客様のライフスタイルに合わせたパーソナライズ提案も効果的です。
Q3. デジタルツールを使った次回予約促進で、最も効果的な方法は何ですか?
A3. LINE公式アカウントによるセグメント配信が最も効果的です。お客様の最終来店日に基づいて、適切なタイミングで個別最適化されたメッセージを自動配信できます。実際の事例では、Lステップを導入したサロンで3回目のリピート率が25%から42%に向上した報告があります。24時間予約システムとの連携により、さらなる効果が期待できます。
Q4. 次回予約の特典はどの程度が適切でしょうか?
A4. 特典設計では、割引率よりも付加価値の提供が重要です。施術料金の10-20%割引程度に抑え、むしろ「無料ヘッドスパ追加」「新メニュー優先体験」などの体験価値を重視しましょう。大幅な割引は「初回荒らし」を引き寄せるリスクがあります。また、ポイントカードで1-2年程度の長期目標を設定することで、継続来店の動機付けが可能です。
Q5. 常連のお客様への次回予約アプローチで注意点はありますか?
A5. 常連のお客様こそ、マンネリ化に注意が必要です。毎回同じ提案ではなく、新しいトレンドメニューや季節に合わせた提案を心がけましょう。また、「いつものように」という対応ではなく、常に初心を忘れず丁寧な接客を継続することが重要です。お客様が「大切にされている」と感じられる特別な体験を提供し続けることで、長期的な関係性を維持できます。
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