カフェ・フォトスタジオと組む”撮影セットプラン”:美容室×異業種コラボ事例集
更新日:2025年12月8日
カフェ併設型は施術後の寛ぎ時間を提供し、再来店のきっかけを生み出します
成人式や七五三などの記念日需要では、客単価が通常の2〜3倍になることもあります
異業種連携では相互送客と役割分担を明確にすることが成功の鍵です
初期投資を抑えて始めるなら、地域の写真館やカメラマンとの提携から検討しましょう
美容室が異業種連携に取り組むべき理由
美容室の市場競争が激化する中、既存サービスだけでは差別化が難しくなっています。全国に約26万店舗が存在する美容業界では、技術力だけでなく独自の付加価値を提供することが重要です。
異業種との連携には、主に3つのメリットがあります。まず、新しい顧客層へのアプローチです。カフェやフォトスタジオの顧客基盤を活用することで、これまでリーチできなかった層との接点が生まれます。次に客単価の向上です。ヘアメイクに撮影やカフェタイムを組み合わせることで、通常の施術料金に数千円から数万円の追加収益が見込めます。そして最後に、地域での認知度向上です。話題性のあるコラボレーションは口コミを生み、SNSでの拡散にもつながります。
特に新規オープンの美容室にとって、異業種連携は地域に根付くための有効な戦略となります。自店だけでは実現できない体験価値を提供することで、「あの美容室は何か違う」という印象を地域に残すことができるのです。
- 美容業界の競争激化により、技術以外の付加価値提供が不可欠な時代です
- 異業種連携で新規顧客層へのアプローチと客単価向上を同時に実現できます
- 話題性のあるコラボは地域での認知度向上とSNS拡散効果を生みます
フォトスタジオ併設型の成功事例:ヘアメイクから撮影までワンストップ
山口県内のある美容室では、美容室とフォトスタジオを併設した先進的なモデルで成果を上げています。成人式の前撮りや七五三の記念撮影で地域の話題を集め、開業後すぐに地域の話題スポットとなりました。
この店舗の最大の特徴は、ヘアメイクを終えた直後にそのままプロの撮影ができる点です。通常であれば、美容室で支度を整えた後に写真館へ移動する必要がありますが、同一施設内で完結することで、髪型やメイクが崩れる心配がありません。また、セルフ写真ブースも設置されており、SNS映えする「エモい」写真体験を手軽に楽しめる工夫もあります。
愛知県内の別のフォトスタジオでも同様のコンセプトで、建物内に美容室を併設しています。着付け・ヘアセット・メイクから撮影まで、外出せずに全てが完結する仕組みです。美容師とカメラマンが一体となって運営することで、「美容」と「写真」の両面から高品質な記念写真を提供し、家族写真や成人式撮影の予約が安定して入っています。
併設型モデルの強みは、顧客の移動負担をゼロにできることです。小さなお子様連れの家族や、着物を着た状態での移動が難しい成人式のお客様にとって、この利便性は大きな魅力となります。また、美容師とカメラマンが連携してお客様のヘアスタイルに合わせた最適な照明やポージングを提案できるため、仕上がりの満足度も高くなります。
- 併設型モデルは移動の手間を完全に省き、ヘアメイクの崩れを防げます
- 美容師とカメラマンが連携することで、トータルコーディネートの質が上がります
- セルフ撮影ブースの設置はSNS需要を取り込む効果的な施策です
カフェ併設型の魅力:美容体験に「寛ぎ」を加える新業態
山口県内のある店舗は、1〜2階にカフェ、3階に美容室を配置した複合型店舗として注目されています。地元出身の美容師オーナーが「若者がワクワクできる場所を作りたい」という想いで立ち上げました。
カフェ併設型の最大の価値は、美容室利用後にカフェで寛げる時間を提供できることです。施術を終えた後、コーヒーを飲みながらゆっくり過ごす時間は、単なる美容サービスを超えた体験価値となります。また、美容室を利用しない日でもカフェに立ち寄る習慣が生まれれば、次回の来店につながる接点が増えます。
この業態では、コラボクーポンの発行が相互送客の鍵となります。例えば「美容室利用のお客様はカフェのドリンク1杯無料」「カフェご利用のお客様は美容室の次回施術10%オフ」といった特典を設けることで、どちらか一方しか利用していない顧客を両方の顧客へと育てることができます。
カフェは美容室と比べて気軽に立ち寄れる場所であるため、新規顧客との最初の接点として機能します。カフェで店の雰囲気やスタッフの人柄を知ってもらうことで、美容室への心理的ハードルが下がり、「今度ここで髪を切ってみよう」と思ってもらいやすくなるのです。
- カフェ併設は施術後の寛ぎ時間を提供し、顧客体験の質を高めます
- コラボクーポンによる相互送客で、両方のサービスを利用する顧客を育成できます
- カフェは美容室より気軽な接点として、新規顧客獲得の入口になります
提携型モデル:地域の写真館・カメラマンとの連携
自店舗内にスタジオやカフェを設けることが難しい場合でも、地域の写真館やフリーカメラマンと提携することで同様の価値を提供できます。静岡県内のある美容室では、オーナー自身が美容師兼カメラマンとして店内の撮影スペースで家族写真やウェディングフォトを手掛けています。
この店舗の工夫は、ヘアメイクと撮影を別サービスとして料金設定している点です。必要な人だけが撮影を追加できるオプション制にすることで、押し売り感がなく顧客満足度が高まります。入学式や結婚記念日といった記念日に合わせて、家族写真を撮りに訪れるお客様も多いといいます。
愛知県内のある呉服店では、プロカメラマンとヘアメイクチームを招いて、年1回の顧客限定プレミアム撮影会を開催しています。成人式前撮りや七五三、長寿祝いなど節目の写真を高級ロケーションで撮影する特別企画で、募集開始と同時に予約が埋まる人気イベントです。
地元のフリーカメラマンと連携して、七五三シーズンに「お子様ヘアセット+家族写真撮影」のセットプランを期間限定で販売した美容室もあります。進め方としては、まずカメラマンと事前に打ち合わせて撮影日程やプラン料金を決定し、予約は美容室側で一括管理します。当日は美容室で着付け・ヘアセット後、近隣の名所でロケ撮影を行い、後日美容室で写真アルバムをお渡しするという流れです。
提携型で成功させる最大のポイントは、両者の役割分担を明確にすることです。美容室はヘアメイクのクオリティ保証と衣装のフォロー(着崩れ直しなど)を担当し、カメラマンは顧客の緊張を和らげながら自然な表情を引き出すコミュニケーション力が求められます。また、撮影データの提供枚数やアルバムの有無、追加注文の料金体系、納期などを事前に明確にしておくことで、後々のトラブルを防げます。
- 自店舗にスタジオがなくても、地域の写真館やカメラマンとの提携で実現可能です
- オプション制にすることで押し売り感がなく、顧客の選択肢を増やせます
- 役割分担と料金体系を事前に明確化することがトラブル防止の鍵です
撮影セットプランの料金設計と収益モデル
撮影セットプランの料金設定は、美容室の通常メニューと撮影サービスの組み合わせ方によって変わります。一般的には、ヘアセット5,000〜8,000円に撮影料金10,000〜30,000円を組み合わせ、トータルで15,000〜40,000円程度のプランが主流です。
収益を最大化するためには、段階的なプラン設計が効果的です。例えば、ベーシックプラン(ヘアセット+スタジオ撮影15カット+データ納品)を18,000円、スタンダードプラン(ヘアメイク+スタジオ撮影30カット+アルバム1冊+データ納品)を28,000円、プレミアムプラン(ヘアメイク+着付け+ロケーション撮影50カット+アルバム2冊+全データ納品)を45,000円といった形です。
客単価を上げるためには、追加オプションの設定も重要です。家族追加撮影(+5,000円)、追加アルバム作成(+8,000円)、撮影データ追加購入(1カット+500円)など、お客様のニーズに応じて柔軟に選択できる仕組みが理想的です。
提携型の場合、収益配分のルールを最初に決めておきましょう。よくあるパターンは、美容室が施術料金を、カメラマンが撮影料金を、それぞれ受け取る形です。または、セット料金の総額を一定比率で分配する方法もあります。いずれにしても、お客様への請求は一本化して支払いの手間を減らし、内部での精算は別途行うことが望ましいでしょう。
- 撮影セットプランは通常施術の2〜3倍の客単価を実現できます
- 段階的なプラン設計と追加オプションで顧客のニーズに柔軟に対応します
- 提携型では収益配分ルールを事前に明確化し、請求は一本化しましょう
導入時の準備と注意点
異業種連携を始める際には、いくつかの準備が必要です。まず最も重要なのは、提携先との目標と役割の明確化です。「どのような顧客層をターゲットにするか」「どちらが何を担当するか」「売上目標はいくらか」といった基本事項を文書で取り決めておきましょう。
次に、サービス提供の流れを細かく設計します。予約受付から当日の進行、支払い方法、アフターフォローまで、お客様の動線を具体的にシミュレーションして問題点を洗い出します。特に着付けが必要な場合は時間配分に余裕を持たせ、撮影場所への移動が発生する場合は悪天候時の代替案も用意しておきましょう。
集客面では、双方の既存顧客への告知が最初のステップです。美容室の顧客には店内ポスターやDM、LINEメッセージなどで、写真館やカフェの顧客にはそれぞれの媒体で相互に告知し合います。SNSでの発信も効果的で、実際の撮影事例をビフォーアフター形式で投稿することで、サービスのイメージが伝わりやすくなります。
注意点としては、品質の一貫性を保つことです。美容室とカメラマンの技術レベルがどちらか一方に偏ると、お客様の満足度は下がります。事前に何度かリハーサルを行い、仕上がりイメージをすり合わせておくことが大切です。また、個人情報の取り扱いや写真の使用許諾についても、お客様から明確な同意を得る必要があります。
初期投資を抑えたい場合は、まず小規模なトライアルから始めることをお勧めします。期間限定キャンペーンとして月に数組限定でセットプランを提供し、顧客の反応を見ながら本格導入を判断するのが賢明です。
- 提携先との目標・役割分担を文書で明確化することがトラブル防止につながります
- サービス提供の流れを細かく設計し、悪天候などの代替案も準備しましょう
- 小規模トライアルから始めることで、リスクを抑えながら顧客反応を確認できます
記念日需要を年間で捉える:季節別アプローチ
撮影セットプランは、記念日需要を軸に年間を通じて展開できます。最も大きな需要は成人式関連で、前撮りは10月から12月にかけて、当日の着付けとヘアセットは1月に集中します。次いで七五三が10月から11月、卒業式・入学式が3月から4月、そして夏の家族写真やマタニティフォトが6月から8月に需要があります。
季節ごとにテーマを設定することで、お客様に「今しかできない撮影」を意識してもらえます。春は新生活スタートの記念写真、夏は浴衣や家族旅行の思い出写真、秋は紅葉ロケーション撮影、冬はクリスマスや年賀状用の家族写真といった具合です。
成人式や七五三は予約が数か月前から入るため、早めの告知が重要です。前年の同時期に撮影した写真をSNSやホームページで紹介し、「来年の成人式の前撮りは今から予約できます」と呼びかけることで、計画的な顧客を取り込めます。
一方で、記念日需要だけに頼らず、日常の記念撮影ニーズも掘り起こすことが通年での売上安定につながります。誕生日や結婚記念日、家族の節目など、小さな記念日でも「プロの撮影を残しませんか」と提案することで、新たな需要を生み出せます。
- 成人式・七五三・卒入学式など、記念日需要は年間を通じて存在します
- 季節ごとのテーマ設定で「今しかできない撮影」の価値を伝えましょう
- 大きな記念日だけでなく、日常の小さな節目にも撮影提案をすることで通年売上が安定します
まとめ:異業種連携で広がる美容室の可能性
カフェやフォトスタジオとの連携は、美容室に新たな収益源をもたらすだけでなく、地域での存在感を高める効果があります。併設型、提携型それぞれにメリットがあり、自店舗の状況に応じて最適な形を選択できます。
成功のポイントは、単に「一緒にやる」ことではなく、お客様にとって本当に価値のある体験を設計することです。移動の手間を省く、特別な記念日を一か所で完結させる、寛ぎの時間を提供する――こうした明確な価値があるからこそ、お客様は通常より高い料金を支払ってくださいます。
また、異業種連携は地域ネットワークの構築にもつながります。カメラマン、カフェオーナー、着物店など、地域の事業者と良好な関係を築くことで、相互紹介や共同イベントなど、さらなる展開も可能になります。
まずは小さく始めてみることをお勧めします。地域の信頼できるカメラマンに声をかけて、期間限定のコラボプランを試してみる。お客様の反応が良ければ本格展開し、課題が見つかれば改善する。こうした小さな一歩が、他店との差別化と安定経営につながるのです。
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