キッズカットを始めるには|子どもの予約枠・料金・安全対策と家族来店につなげるコツ
更新日:2026年10月12日
「子どもも一緒に切ってもらえますか」と保護者のお客様に聞かれたことはありませんか。キッズカットは、子どもが新しいお客様になるだけでなく、家族そろって通ってもらうきっかけにもなるメニューです。一方で、じっと座っていられない、刃物やヘアアイロンが近くにある、といった大人とは違う配慮も必要になります。この記事では、キッズカットを始める前に決めること、予約枠と料金の決め方、安全対策、接客の工夫、家族来店につなげる方法を解説します。
- 美容師法・理容師法の本文には、子どもへの施術の年齢制限や保護者の同席を定めた規定は見当たらないため、対象年齢や同伴のルールはお店で決めます。
- 器具の消毒や布片の交換など、衛生管理は大人のお客様と同じ基準で行います。
- 国民生活センターは、ヘアアイロンによる0〜2歳の子どものやけど事故が起きていると注意を呼びかけています。
- 予約枠に余裕を持たせ、保護者の予約と組み合わせると、家族での来店につなげやすくなります。
キッズカットを始める前に決めること|対象年齢と提供範囲
キッズカットを始めるときは、まず「何歳から何歳までを対象にするか」「どのメニューを提供するか」「保護者の同伴をどうするか」をお店のルールとして決めます。
美容師法・理容師法の本文には、子どものお客様への施術について、年齢制限や保護者の同席を定めた規定は見当たりません。そのため、対象年齢や同伴の条件は、お店の設備やスタッフの経験、客層に合わせて決めることになります。たとえば「未就学児は保護者の同伴が必要」「小学生以上は一人での来店も可」のように、年齢で区切って決めておくと、予約を受ける側も迷いません。
提供するメニューも決めておきます。カットのみにするのか、シャンプーやブローも含めるのか、前髪だけのカットも受けるのかによって、必要な時間も料金も変わります。カラーやパーマなど薬剤を使う施術を子どもに提供するかどうかも、あらかじめ方針を決めておくと、保護者から相談されたときに答えやすくなります。
衛生管理は、大人のお客様と同じ基準で行います。厚生労働省の「理容所及び美容所における衛生管理要領」では、皮膚に接する器具類は客1人ごとに消毒した清潔なものを使い、皮膚に接する布片類は客1人ごとに取り替えることなどが定められています。子どもだからといって手順を省かないよう、スタッフ全員で確認しておきましょう。
- 美容師法・理容師法の本文に、子どもの年齢制限や同席の規定は見当たらない
- 対象年齢・提供メニュー・保護者の同伴の条件をお店で決める
- 薬剤を使う施術を子どもに提供するかも方針を決めておく
- 器具の消毒や布片の交換は、大人と同じ基準で行う
予約枠の作り方|時間と時間帯に余裕を持たせる
キッズカットの予約枠は、施術の時間そのものより、準備や声かけ、休憩を含めて余裕を持って設定するのが基本です。
子どもは、慣れない場所で緊張したり、途中で動きたくなったりすることがあります。カットにかかる時間が短くても、席に座るまでの声かけや、ケープをつけるまでの準備、途中でひと休みする時間を見込んでおかないと、後ろの予約にずれ込んでしまいます。最初は余裕を多めに取り、実際にかかった時間を記録しながら、自店に合った枠の長さに調整していきましょう。
時間帯の選び方も大切です。保護者に、子どもを連れて来やすい時間帯を聞いてみると、キッズカットに向いた枠をつくるヒントになります。また、子どもの声や動きが気になるお客様もいるため、キッズカットを受ける曜日や時間帯を決めておく、席を入口の近くや端に固定するといった工夫も考えられます。
予約ページには、キッズカットの対象年齢、所要時間の目安、保護者の同伴の条件を明記しておきましょう。「お子さまのご機嫌によっては、途中で休憩をはさむことがあります」と書き添えておくと、保護者も安心して予約できます。
- 準備・声かけ・休憩を含めて余裕を持った枠にする
- 実際の所要時間を記録し、枠の長さを調整していく
- キッズカットを受ける曜日・時間帯や席を決める方法もある
- 予約ページに対象年齢・所要時間・同伴の条件を明記する
料金の決め方と表示
キッズカットの料金は、近隣の相場だけで決めるのではなく、予約枠の長さと提供する内容から逆算して決めることが大切です。
キッズカットの料金を大人より低く設定する場合は、予約枠が思ったより長くなりやすい点に注意が必要です。料金を安くしすぎると、1時間あたりの売上が下がり、ほかのお客様の予約を受けられなくなることもあります。まずは、キッズカットに使う時間と、その時間に大人のメニューを入れた場合の売上を比べ、どこまで料金を下げられるかを考えてみましょう。
料金は、年齢で区切る方法(未就学児・小学生・中学生など)と、内容で区切る方法(カットのみ・シャンプー付き・前髪のみなど)があります。分かりやすさを優先するなら、年齢ごとに1つの料金にまとめるほうが、保護者も選びやすくなります。
料金を表示するときは、実際の内容と食い違わないように注意しましょう。景品表示法では、実際よりも著しく有利であると一般消費者に誤認される表示が禁止されています。たとえば「通常価格」と並べて割引を表示する場合は、その価格で最近相当期間にわたって販売していた実績が必要になるなど、比較の表示にはルールがあります。シャンプーやブローが含まれるかどうか、追加料金がかかる場合はその条件も、メニュー表に分かりやすく書いておきましょう。
あわせて読みたい:- 料金は予約枠の長さと提供内容から逆算して決める
- 安くしすぎると、1時間あたりの売上が下がることがある
- 年齢ごとにまとめた料金にすると、保護者が選びやすい
- 割引の比較表示などは、景品表示法のルールに沿って表示する
安全対策|ハサミ・ヘアアイロン・椅子からの転落に注意
子どものお客様を迎えるときは、刃物、熱い器具、椅子からの転落の3つを中心に、事故を防ぐための準備をしておくことが欠かせません。
とくに注意したいのがヘアアイロンです。国民生活センターは2024年8月、ヘアアイロンによる子どものやけどに注意を呼びかけ、0〜2歳の子どもの事故が発生しているとしています。同センターのテストでは、電源を切った後に71℃以下になるまで平均で10分以上かかったとされています。施術に使った後のヘアアイロンは、子どもの手が届かない場所に置き、コードが引っかからないように配置しましょう。
こども家庭庁の「こどもを事故から守る!事故防止ハンドブック」でも、ヘアアイロンを使うときは子どもを近づけないことや、椅子の上で立ち上がらせないこと、はさみなどの刃物でのけがへの注意が挙げられています。サロンでは、ワゴンのハサミやコームを子どもの手の届かない位置に置く、椅子の高さを下げる、座面に補助の台を使う場合は安定しているかを確かめる、といった対策が考えられます。
待合で一緒に来た兄弟が待つ場合も、ヘアアイロンやドライヤー、薬剤が置かれた場所に近づかないよう、待つ場所を決めておきます。保護者には「施術中は安全のため、お子さまのそばで見守ってください」とお願いしておくと、事故の予防とともに子どもの安心にもつながります。
あわせて読みたい:- ヘアアイロンによる0〜2歳の子どものやけど事故が報告されている
- 電源を切った後も熱が残るため、子どもの手の届かない場所に置く
- ハサミやコームの置き場所と、椅子の高さ・安定性を確認する
- 待合の兄弟の待つ場所を決め、保護者に見守りをお願いする
子どもが安心できる接客の工夫
キッズカットを成功させるうえで大切なのは、上手に切ることと同じくらい、子どもが「また来てもいい」と思える時間をつくることです。
まずは、目線を合わせてあいさつし、名前を呼んで話しかけます。いきなりケープをつけたりハサミを見せたりするより、「今日はどんな髪型にする?」「どこを短くしたい?」と話しかけ、これから何をするかを言葉で伝えていくと、子どもは安心しやすくなります。
動いてしまうことを前提に、施術の順番も工夫します。子どもが気にしやすい前髪や耳まわりは、落ち着いているうちに先に切る、霧吹きを嫌がる子にはコームで少しずつ濡らす、といった工夫が考えられます。途中で泣いてしまったときは、無理に続けず、保護者と相談しながら休憩をはさみましょう。仕上がりの希望は、保護者と子どもの両方に確認しておくと、後で「思っていたのと違う」となるのを防げます。
最後に、頑張ったことをしっかり褒めて送り出すことも大切です。保護者には、今回切った長さや、次に来るとよい時期の目安を伝えておくと、次回の予約につながりやすくなります。
- 目線を合わせて名前を呼び、これから何をするかを言葉で伝える
- 気にしやすい部分は、落ち着いているうちに先に切る
- 泣いてしまったら無理に続けず、保護者と相談して休憩する
- 仕上がりの希望は保護者と子どもの両方に確認する
家族来店につなげる|保護者の予約と次回の案内
キッズカットを家族での来店につなげるには、保護者の予約と組み合わせやすくし、次の来店のきっかけをつくることがポイントです。
保護者が自分のカットやカラーを予約するとき、子どものカットも続けて受けられるようにしておくと、家族で一度に用事を済ませられて便利です。予約ページで「お子さまのカットもご一緒にどうぞ」と案内したり、保護者の施術中に子どもを先に仕上げる流れを用意したりするのも一つの方法です。
次回の来店のきっかけには、季節の行事も使えます。神社本庁は、七五三について11月15日前後の休日に親子連れでにぎわうと紹介しています。入園・入学や卒業の時期、夏休み前なども、子どもの髪を整えたいと考える保護者が多い時期と考えられます。こうした時期の前に、来店したことのある家族に案内を届けると、予約につながりやすくなります。
次回の提案をするためには、前回どんな髪型にしたか、どのくらいの長さに切ったか、施術中の様子はどうだったかを記録しておくことが大切です。ビューティーメリットでは、電子カルテで施術履歴を残せて、過去の分もいつでも閲覧できます。前回の様子を確認してから迎えれば、子どもにも保護者にも安心してもらえるでしょう。
あわせて読みたい:- 保護者の予約と子どものカットを続けて受けられるようにする
- 七五三や入園・入学などの行事の前に案内を届ける
- 前回の髪型・長さ・施術中の様子を記録しておく
- 前回の記録を確認してから迎え、子どもと保護者を安心させる
まとめ:ルールと安全を整えて、家族で通えるサロンに
キッズカットを始めるには、①対象年齢・提供メニュー・同伴のルールをお店で決め、②準備や休憩を含めて余裕のある予約枠をつくり、③料金は予約枠の長さから逆算して分かりやすく表示し、④ヘアアイロンや刃物、椅子からの転落に注意して安全対策を整え、⑤子どもが安心できる接客と、家族来店につなげる案内を用意することが大切です。
まずは、保護者のお客様に「お子さまのカットのご希望はありますか」と聞いてみることから始めてみてください。希望の年齢や時間帯が見えてきたら、それに合わせて予約枠と料金を決め、安全対策のチェックリストを作りましょう。
よくある質問(FAQ)
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