小規模事業者持続化補助金をサロンで使うには|対象になる経費と第20回の申請準備
更新日:2026年10月5日
チラシを刷り直したい、看板を新しくしたい、ホームページを整えたい。そんな販路開拓の取り組みを後押しするのが「小規模事業者持続化補助金」です。スタッフが少ない個人サロンでも使える可能性がある一方、申請には商工会・商工会議所の書類や電子申請の準備が必要で、思った以上に時間がかかります。この記事では、第20回公募(一般型・通常枠)の日程と上限額、サロンで考えやすい経費、申請前に押さえたい注意点を整理します。
- 第20回(一般型・通常枠)の申請受付は2026年11月5日から12月15日17時までで、商工会・商工会議所の様式4の発行受付は12月4日までです。
- 補助上限は通常枠で50万円、補助率は原則2/3で、インボイス特例や賃金引上げ特例を使うと上限が上乗せされます。
- 対象は常時使用する従業員が少ない小規模事業者で、商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)は5人以下が基準です。
- 申請は電子申請のみでGビズIDプライムが必要なうえ、交付決定前に発注・契約した経費は対象外になります。
小規模事業者持続化補助金とは|販路開拓の取り組みを支える補助金
小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者が自ら作った経営計画にもとづいて行う販路開拓などの取り組みに対し、経費の一部を補助する制度です。サロンでいえば、新しいお客様に知ってもらうための取り組みが中心になります。
この補助金の特徴は、「何を買うか」より「どんな計画のために使うか」が問われる点です。たとえば、近隣の働く世代に向けた平日夜のメニューを打ち出すためにチラシを作る、といったように、経営上の課題と取り組みがつながっている必要があります。
第20回の公募要領は公開済みで、2026年9月時点の現行版は第8版(2026年7月21日)です。事務局は商工会議所地区と商工会地区に分かれており、自店の所在地がどちらの地区にあたるかで窓口が変わります。まず地元の商工会議所か商工会に確認するところから始めるとスムーズです。
注意したいのは、補助金は後払いだという点です。採択されても先に入金されるわけではなく、経費はいったん自店で支払い、実績報告のあとに補助金額が確定して支払われる流れになります。手元資金の計画もあわせて立てておく必要があります。
- 経営計画にもとづく販路開拓などの取り組みを補助する制度
- 「何を買うか」より「どんな計画のために使うか」が問われる
- 窓口は所在地により商工会議所地区と商工会地区に分かれる
- 補助金は後払いのため、立て替えの資金計画が必要
第20回の申請スケジュール|締切より前に来る2つの期限
第20回の申請受付は2026年11月5日(木)から12月15日17時までです。ただし実際に意識すべき期限は、それより前にあります。
1つ目は、商工会・商工会議所から発行を受ける「事業支援計画書(様式4)」の発行受付締切で、2026年12月4日(金)とされています。申請には様式4が必要なため、この日を過ぎると申請書類がそろいません。しかも発行には相談や確認の時間がかかるため、12月に入ってから依頼するのでは余裕がないと考えられます。
2つ目は、電子申請に使う「GビズIDプライム」の取得です。公募要領では、アカウントの取得に数週間程度かかるため早めに登録するよう案内されています。まだ持っていない場合は、申請内容を考える前に手続きを始めておくのが安全です。
その後の予定は、採択発表が2027年3月頃、補助事業の実施期間が交付決定日から2028年3月31日までとされています。採択発表の予定は申請数などで変わる場合があると注記されているため、日程は事務局の最新情報で確認してください。
- 申請受付は2026年11月5日〜12月15日17時
- 様式4の発行受付は12月4日締切で、実質的にはこちらが先の期限
- GビズIDプライムは取得に数週間かかるため最初に手配する
- 採択発表は2027年3月頃の予定とされている
持続化補助金の対象になるサロンと補助上限額
対象になるのは、常時使用する従業員の数が一定以下の小規模事業者です。スタッフ数が少ない個人サロンや小規模な法人サロンが想定されます。
公募要領では、商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)は常時使用する従業員の数が5人以下とされています。美容室やネイル、エステなどのサロンは一般的にサービス業に含まれると考えられますが、業種の考え方は公募要領の参考資料で示されるため、判断に迷う場合は事務局や商工会・商工会議所に確認するのが確実です。なお、会社役員や同居の親族従業員、試用期間中の人などは、常時使用する従業員の数に含まれないとされています。
補助上限額は、通常枠で50万円です。インボイス特例を満たすと50万円、賃金引上げ特例を満たすと150万円が上乗せされ、両方を併用すると上乗せは200万円(上限250万円)になります。補助率は原則2/3で、賃金引上げ特例を使う赤字事業者は3/4とされています。
たとえば補助対象経費が60万円で補助率2/3なら、計算上の補助額は40万円で、通常枠の上限50万円の範囲に収まります。特例には個別の要件があるため、使えそうな場合は公募要領で条件を確認してから計画を組み立ててください。
- 商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)は常時使用する従業員5人以下が基準
- サロンの業種判定は公募要領の参考資料で確認する
- 通常枠の上限は50万円、特例の併用で最大250万円
- 補助率は原則2/3、賃金引上げ特例の赤字事業者は3/4
サロンで考えやすい補助対象経費の例
補助対象になる経費は8つの費目に分かれています。サロンの販路開拓では、広報費とウェブサイト関連費が検討の中心になりやすいと考えられます。
公募要領で示されている費目は、機械装置等費、広報費、ウェブサイト関連費、展示会等出展費、旅費、新商品開発費、借料、委託・外注費の8つです。サロンでいえば、新規のお客様に向けたチラシや看板の制作は広報費、ホームページの作成や改修はウェブサイト関連費として検討されるケースが考えられます。
ただし第20回では、広報費とウェブサイト関連費について、それぞれ補助金交付申請額の上限が30万円(税込)とされています。さらに、どちらも単独での申請はできず、ほかの経費と一緒に申請する必要があります。チラシだけ、ホームページだけで申請することはできない点に注意してください。
対象外の経費も決められています。販売する商品の仕入れ、自動車、光熱水費、電話代やインターネット利用料などの通信費、名刺や文房具などの消耗品、税理士などへの申告・決算の費用などが代表例です。店販品の仕入れや日々の運営費には使えない、と覚えておくとわかりやすいでしょう。
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- 補助対象経費は機械装置等費や広報費など8費目
- チラシ・看板は広報費、ホームページはウェブサイト関連費として検討されやすい
- 広報費とウェブサイト関連費はそれぞれ上限30万円(税込)で、単独申請は不可
- 商品の仕入れ、光熱水費、通信費、消耗品などは対象外
申請前に押さえたい注意点と、採択後の流れ
いちばん大切なのは、交付決定より前に発注や契約をしないことです。採択の通知が届いただけでは、事業を始めることはできません。
公募要領では、補助対象経費の発注・契約・支出は「補助金交付決定通知書」に記載された交付決定日から可能とされ、交付決定日より前に行ったものは補助対象外と明記されています。採択後の流れは、採択、見積書などの提出、交付決定、補助事業の実施、実績報告書の提出、補助金の確定・支払の順です。事務局の案内では、採択発表から交付決定までおおむね1〜2か月かかる場合があるとされています。
計画づくりでは、「誰に」「何を」「どう知ってもらうか」を自店の数字と結びつけると、内容が具体的になります。たとえば、新規のお客様の来店経路を確認し、ホームページ経由が少ないならページの改修を、近隣住民への認知が弱いなら看板やチラシを、というように課題から取り組みを選ぶ考え方です。
また、申請は電子申請システムでのみ受け付けられ、郵送では受け付けられません。書類の作成には時間がかかるため、GビズIDの取得と商工会・商工会議所への相談を早めに始め、公募要領の最新版を必ず確認したうえで準備を進めてください。商工会議所地区の第20回の内容は小規模事業者持続化補助金<一般型・通常枠>第20回 公募要領(商工会議所地区)で確認できます。
あわせて読みたい:- 交付決定日より前の発注・契約・支出は補助対象外
- 流れは採択→見積書等の提出→交付決定→実施→実績報告→確定・支払
- 課題と取り組みを自店の数字で結びつけると計画が具体的になる
- 申請は電子申請のみで、郵送は受け付けられない
まとめ:まずはGビズIDと商工会・商工会議所への相談から
小規模事業者持続化補助金は、①経営計画にもとづく販路開拓を補助する制度で、②第20回は11月5日〜12月15日が申請受付、様式4は12月4日締切、③通常枠の上限は50万円・補助率2/3、④サロンでは広報費やウェブサイト関連費が中心になりやすく、⑤交付決定前の発注は対象外、という点を押さえておけば全体像がつかめます。
最初の一歩は、GビズIDプライムの取得手続きと、地元の商工会議所または商工会への相談です。そのうえで、新規のお客様が何をきっかけに来店しているかを振り返り、補助金で取り組みたいことを1つに絞ってみてください。日程や要件は変わる場合があるため、申請前には必ず事務局の公募要領で最新の情報を確認しましょう。
よくある質問(FAQ)
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