
近隣に大手チェーン店ができたときの対抗策:価格で戦わない3つの方法
更新日:2025年10月13日
「近くに大手チェーン店ができてしまった…」「価格で勝負したら利益が残らない…」独立系の美容サロンを経営されている方なら、こうした不安を感じたことがあるのではないでしょうか。大手チェーン店は価格の安さと立地の良さで集客しますが、同じ土俵で戦う必要はありません。
今回は、価格競争に巻き込まれず、独自の価値を提供することで持続的に成長するための3つの方法を、具体的な戦略とともに解説します。大手にはできない、あなたのサロンならではの強みを活かした経営のヒントが得られます。
1. 大手チェーン店進出がもたらす影響と価格競争の罠
結論:価格競争は独立系サロンを疲弊させる悪循環
近隣に大手チェーン店が進出すると、多くの独立系サロンオーナーは「価格を下げなければ」と考えがちです。しかし、価格競争に参入することは、独立系サロンにとって最も避けるべき選択と言えます。
大手チェーン店の強みと独立系サロンの立ち位置
大手チェーン店は、価格優位性、広範な認知度、駅近などの利便性において強みを持っています。これは、大量仕入れによるコスト削減、広告予算の豊富さ、好立地への出店余力といった、資本力に裏打ちされたものです。
独立系サロンがこれらの要素で正面から競合しようとすることは、資源を枯渇させる危険性が高いと考えられます。例えば、価格を下げれば一時的に集客できるかもしれませんが、利益率が低下し、スタッフへの還元や店舗改善への投資ができなくなります。
価格競争の罠とは
価格競争に陥ると、以下のような悪循環が生まれます:
・利益率の低下:価格を下げることで、一人あたりの粗利益が減少します
・サービス品質の低下:利益が減ることで、技術研修や設備投資ができなくなります
・スタッフの疲弊:低価格でも売上を維持するために、回転率を上げざるを得ず、スタッフの負担が増大します
・ブランド価値の毀損:「安いサロン」というイメージが定着し、高単価メニューが売れなくなります
戦略と戦術の違いを理解する
大手チェーン店に対抗するには、場当たり的な集客「戦術」ではなく、長期的な経営の「戦略」を明確に定めることが不可欠です。戦略とは組織全体に共有されるべき経営の道筋であり、これが欠如すると、企業は方向性を見失ってしまいます。
独立系サロンの戦略は、大手との差別化を軸に据えるべきです。具体的には、価格や利便性ではなく、専門性、顧客体験の質、地域との結びつきといった、大手には真似できない価値を提供することです。
<要点>
・大手チェーン店は価格・認知度・立地で優位性を持つ
・価格競争は利益率低下→品質低下→ブランド毀損の悪循環を生む
・場当たり的な戦術ではなく、長期的な差別化戦略が必要
・独立系サロンは専門性・体験の質・地域性で勝負すべき
2. 方法1:独自の強み(USP)を明確にして専門性で勝負する
結論:「誰に、何を提供するか」を明確にすることが差別化の第一歩
USP(Unique Selling Proposition:独自の強み)を確立することは、価格競争から脱却するための最も重要な戦略です。USPとは、「あなたのサロンにしかない価値」を明確に言語化したものです。
USP構築の4つのステップ
ステップ1:市場と顧客ニーズの把握
まず、ターゲット顧客が大手チェーンの均一的なサービスでは満たされないと感じている具体的なニーズを把握します。顧客アンケートやヒアリング、SNSの意見などを通じて、顧客が求めている情緒的・技術的ニーズを深掘りします。
顧客は単に髪を整えるだけでなく、「自己肯定感を高めたい」「自分に本当に合った解決策が欲しい」といった、より深い感情的な価値を求めていることが多いとされています。大手競合の「効率性」に対し、独立サロンは「共感性」と「専門性」を対抗軸として位置づける必要があります。
ステップ2:競合のUSPとポジショニングの分析
大手チェーンが主に「早さ」や「低価格」といった利便性で顧客を獲得していることを理解し、自店が避けるべき競争領域を明確にします。
ステップ3:自社の強み・独自性の洗い出し
スタッフの専門技術、接客の質、店舗の雰囲気、そして取り扱う商品の独自性を洗い出します。特に、OEM商品(オリジナルラベル化粧品)の導入は、強力な差別化要素となります。
例えば、小ロットから製造可能な頭皮ケアに特化したスカルプケア商品などを導入することで、店舗独自のコンセプトをサービスの一部に無理なく定着させ、ブランド力を向上させることが可能です。
ステップ4:USPとして明確に言語化する
洗い出した強みと、顧客のニーズを組み合わせ、独自性を際立たせた簡潔なメッセージに落とし込みます。
USPの具体例
「髪の悩み解決に特化した、カウンセリング重視のパーソナルサロン」
「オーガニック素材にこだわる、敏感肌の方のための癒しサロン」
「30代以降の大人女性に向けた、エイジングケア専門サロン」
「完全個室・プライベート空間で、周囲を気にせず過ごせる隠れ家サロン」
専門性の確立が価格競争を無効化する
専門性を高めることで、顧客は「このサロンでなければ」という理由を持つようになります。例えば、髪質改善に特化したメニュー、特定の年齢層やライフスタイルに合わせた提案力、独自の技術や商品ラインナップなどです。
専門性が確立されれば、価格ではなく「価値」で選ばれるサロンになります。顧客は多少高くても、自分の悩みを解決してくれる専門家に任せたいと考えるものです。
<要点>
・USPは「誰に、何を提供するか」を明確にした独自の強み
・顧客ニーズの深掘り→競合分析→自社の強み洗い出し→言語化の4ステップで構築
・OEM商品など独自性の高い要素は強力な差別化になる
・専門性を確立すれば、価格ではなく価値で選ばれるようになる
3. 方法2:顧客体験の質を高めてリピーターを増やす
結論:90日以内に2回以上来店すれば固定客化率が7倍になる
大手チェーン店に対抗する最も効果的な方法の一つは、リピーター基盤の構築です。新規顧客を固定客に転換することで、高い広告費をかけ続ける必要がなくなります。
新規顧客を固定客に変える「7倍の法則」
非常に重要なデータがあります。新規顧客が初めて来店した後、3ヶ月以内に2回以上再利用した場合、その後2年以内に「同じ店を10回以上利用する固定客」になる確率は、一度きりで終わった顧客と比較して7倍以上に跳ね上がるとされています。
また、3ヶ月以内にあと1回だけでも再来店があれば、固定客になる確率は4倍以上に引き上げられると言われています。
90日間フォローアップ戦略
このデータに基づき、新規顧客を固定客化へと導くための戦術は、短期間に集中した多回数アプローチです。
期間(初回からの日数) | アプローチ手段 | 目的 | 期待効果 |
0〜7日以内 | サンクスレター、パーソナルDM(手書き推奨) | 感謝表明、施術後の疑問解消 | 離脱防止、信頼構築 |
7〜30日以内 | ケアアドバイス、リピーター専用割引クーポン | 髪の状態チェック、次回来店動機の創出 | 3ヶ月以内の1回目再来店促進(固定客化確率4倍) |
60〜90日以内 | 次回予約特典、季節限定メニューの紹介 | 習慣化の定着、来店サイクルの確立 | 3ヶ月以内の2回目再来店促進(固定客化確率7倍) |
90日以降 | ロイヤルティプログラム招待、VIP特典提供 | 長期的な関係構築、LTV最大化 | 継続的な利用と口コミ拡散 |
成功事例では、90日間に合計10回のアフターフォローを実施し、初回客から次段階への進捗率が60%を超える成果を達成しているケースもあります。
顧客ロイヤルティを高める4つの柱
・快適な環境の継続的提供 清潔感のあるインテリアやリラックスできる音楽など、顧客が心地よく過ごせる空間作りが、技術力と同様に重要です。
・最新の技術とトレンドの導入 常に最新の技術やトレンドを取り入れ、顧客に新しい価値を提案し続ける姿勢が求められます。
・フィードバックの活用とサービス改善 施術後にアンケートを実施するなどして顧客からのフィードバックを積極的に収集し、サービスの質を継続的に向上させます。
・パーソナライズドな顧客体験 過去の施術記録に基づき、顧客ごとに異なる最適なヘアスタイルを提案する「パーソナライズド」な体験を提供することで、顧客の心理的距離を縮めます。
顧客管理システムの活用
ビューティーメリットのような予約管理システムを活用すれば、顧客の来店履歴や施術内容を一元管理でき、適切なタイミングでのフォローアップが容易になります。また、自動でリマインダーやメッセージを送信する機能を使えば、手間をかけずに継続的な顧客接点を維持できます。
<要点>
・初回から3ヶ月以内に2回以上来店すると固定客化率が7倍になる
・90日間集中フォローアップで、多回数の接触を図る
・快適な環境・最新技術・フィードバック活用・パーソナライズの4つの柱が重要
・予約管理システムを活用すれば、効率的にフォローアップできる
4. 方法3:デジタルを活用して地域での存在感を高める
結論:MEOとSNSで地域内の潜在顧客にリーチする
大手チェーン店が持つ「認知度」の優位性に対抗するには、デジタルマーケティングを活用して地域内での存在感を高めることが有効です。特に、MEO(Map Engine Optimization)とSNSは、費用対効果の高い集客手段です。
MEO対策:Googleビジネスプロフィールを最適化する
MEOとは、Google マップ上での検索結果で上位表示を目指す施策です。「〇〇市 美容室」「駅名 ネイルサロン」といった地域名を含む検索で上位表示されれば、来店意欲の高い近隣の顧客にリーチできます。
MEOの基本施策
・Googleビジネスプロフィールの登録と情報の充実(営業時間、電話番号、ウェブサイトなど)
・高品質な店舗写真の掲載(外観、内観、施術例など)
・顧客からの口コミへの迅速かつ丁寧な返信
・定期的な投稿(新メニュー、キャンペーン情報など)
特に、口コミへの返信は重要です。良い口コミにはお礼を、悪い口コミには真摯な対応を示すことで、第三者から見てもサロンが顧客の声に向き合う姿勢が伝わります。
SNSマーケティング:InstagramとTikTokの活用
視覚的な訴求力が高いInstagramやTikTokは、サロンの雰囲気や技術力を伝える上で非常に有効です。
効果的なSNS運用のポイント
・ビフォーアフター写真:施術の効果を視覚的に示す
・スタッフ紹介:人柄や専門性を伝えることで親近感を醸成
・サロンの雰囲気:店内の写真や動画で安心感を提供
・トレンドワードやハッシュタグの活用:「#髪質改善」「#頭皮ケア」など、検索されやすいキーワードを使用
・地域密着型コンテンツ:地域イベントや季節限定メニューなどのタイムリーな情報発信
ターゲティング広告の戦略的活用
少額から始められるオンライン広告も効果的です。特に以下の手法が有効とされています。
地域ターゲティング広告
「〇〇市 美容室」のように地域と目的を絞り込んで広告を配信します。
ベンチマークターゲティング
人気のある大手チェーン店を指定し、その顧客層に対して自店の差別化された独自の広告を配信します。これは、自店の認知度向上に最適です。
リターゲティング広告
自店のウェブサイトを訪れたが予約に至らなかった潜在顧客に対し、再度アプローチする手法です。「初回割引」や「次回予約特典」などのクーポンを提示し、予約完了へと誘導します。
地域コミュニティとの連携
デジタル施策だけでなく、地域の他の非競合ビジネス(ネイルサロン、エステサロン、カフェなど)と提携し、相互に顧客を紹介し合う相互送客システムを構築することも有効です。独立系サロンが個々には立地で劣っても、地域の小規模ビジネスが連携することで、生活導線上の接触機会を増やし、大手チェーンにはない地域密着型ネットワークの優位性を確立できます。
<要点>
・MEO対策でGoogle マップ上位表示を目指し、地域内の検索ニーズを捉える
・InstagramやTikTokでビジュアル訴求し、サロンの魅力を伝える
・地域ターゲティング広告やベンチマークターゲティングで効率的に集客
・地域の非競合ビジネスと連携し、相互送客ネットワークを構築
5. 立地不利を強みに変える「隠れ家サロン」戦略
結論:「駅から遠い」を「特別な空間」に転換する
大手チェーン店は駅近や商業施設内といった好立地に出店するのが一般的です。一方、独立系サロンの中には、家賃の関係で駅から遠い場所や人目につきづらい場所に店舗を構えているケースもあります。しかし、この物理的な不利は、発想を逆転させることで「隠れ家サロン」としての強みに変わります。
「隠れ家」コンセプトの確立
駅から遠い立地や人目につきづらい場所は、「静けさ」「プライベート感」「特別な体験を提供する秘密基地」という付加価値に変換できます。独立系サロンは、この物理的な不利を、大手チェーンには提供できない排他的な価値観を好む顧客層を獲得する機会と捉えることができます。
立地条件が不利であっても、売上を向上させ長く生き残るためには、店舗独自のコンセプトを明確に反映させることが経営の不可欠な要素となります。
顧客の不安を解消する透明性の確保
隠れ家サロンの特性上、お客様は「どんな場所か」「どのようなスタッフがいるのか」といった情報が不足していることに不安を感じやすいとされています。顧客に安心して予約という一歩を踏み出してもらうためには、物理的な距離を埋めるべく、デジタル空間での情報開示を徹底する必要があります。
必須の情報公開項目
・スタッフの保有資格や詳細な経歴
・スタッフの顔写真と人柄(どのようなキャラクター/性格なのか)
・得意な施術やこれまでのデザイン事例
・店内の雰囲気がわかる写真や動画
大手チェーンの画一的な情報公開に対し、独立サロンは「人間性」と「専門性」を強く訴求することで信頼性を補償する必要があります。徹底的な情報公開によって、顧客は来店前の不安を払拭し、「遠くてもこのサロンに行く価値がある」という確信を持って予約に至ることができます。
ロイヤルティプログラムで物理的不利を補う
立地が不利なサロンにとって、ロイヤルティ特典は物理的な不利を解消する強力な手段となります。例えば、VIP顧客に対して「自動車での送迎」サービスを提供することは、駅遠という地理的なハードルを解消するだけでなく、顧客に特別なステータスを提供し、顧客満足度とリピート率を同時に向上させる有効な戦術となります。
他にも、リピーター専用の特典(施術時間の優先予約、特別メニューの提供、店販品の割引など)を設けることで、「わざわざ遠くても通いたい」という動機を強化できます。
<要点>
・駅から遠い立地を「静けさ」「プライベート感」という付加価値に転換
・隠れ家サロンとしてのコンセプトを明確に打ち出す
・スタッフの人柄や専門性を徹底的に情報公開し、不安を解消
・VIP送迎サービスなど、物理的不利を補うロイヤルティ特典を提供
6. 価格以外の価値を伝えるブランディングの重要性
結論:ブランドコンセプトのシンプル化が訪問コストを上回る価値を生む
不利な立地条件にあるサロンが成功するためには、顧客が「わざわざ遠い場所まで行く」という訪問コストを支払うに足る、明確な理由が必要です。この訪問コストを補償するためには、店舗のストロングポイントをシンプルかつ分かりやすく伝え、来店前から顧客に「このサロンにしかない独自の価値」を確信させることが不可欠です。
ブランドコンセプトとは何か
ブランドコンセプトとは、あなたのサロンが何を大切にし、誰にどんな価値を提供するのかを一貫して伝えるメッセージです。これが明確であれば、顧客は価格だけでサロンを選ぶのではなく、「このサロンの価値観に共感するから」「このサロンの雰囲気が好きだから」という理由で選んでくれるようになります。
ブランドコンセプトを確立し、セルフブランディングに成功すれば、立地が不利であっても顧客が訪れてみたくなる美容室になり得ると考えられます。
一貫性のある情報発信
ブランドコンセプトが定まったら、あらゆる接点で一貫したメッセージを発信することが重要です:
・ウェブサイト:コンセプトを明確に打ち出したデザインとコピー
・SNS:コンセプトに沿った投稿内容とビジュアル
・店内の雰囲気:コンセプトを体現したインテリアや音楽
・スタッフの接客:コンセプトに基づいた言葉遣いやサービス
例えば、「大人女性のためのリラックス空間」がコンセプトなら、ウェブサイトは落ち着いた色調にし、SNSでは癒しをテーマにした投稿を中心にし、店内はゆったりとしたBGMと上質なインテリアで統一します。
価格ではなく「投資」としての価値を伝える
顧客に「このサロンは少し高いけれど、その価値がある」と感じてもらうためには、価格を「コスト」ではなく「自分への投資」として捉えてもらう必要があります。
そのためには、施術前のカウンセリングで顧客の悩みを深く理解し、「なぜこの施術が必要なのか」「どのような効果が期待できるのか」「日常のケア方法は?」といった情報を丁寧に伝えることが重要です。顧客が「このサロンは私のことを本当に理解してくれている」と感じれば、価格への抵抗感は薄れます。
口コミとレビューの戦略的活用
現代の顧客は、サロンを選ぶ際に口コミやレビューを重視します。GoogleビジネスプロフィールやSNSでの評価は、潜在顧客がサロンを選ぶ際の最も重要な判断材料の一つとなっています。
特に「悪い口コミ」への対応が重要です。悪い口コミに対する迅速かつ丁寧な返信は、不満を持つ顧客だけでなく、それを見ている第三者に対しても、サロンが顧客の声に真摯に向き合う姿勢を伝える上で極めて効果的であるとされています。
<要点>
・ブランドコンセプトは「誰に、どんな価値を提供するか」を明確に伝えるメッセージ
・ウェブサイト、SNS、店内、接客など、あらゆる接点で一貫性を持たせる
・価格を「コスト」ではなく「自分への投資」として捉えてもらう
・口コミへの真摯な対応が、第三者への信頼性アピールになる
7. 実行計画:今日から始められる具体的なステップ
結論:戦略を具体的な行動に落とし込みPDCAを回す
ここまで紹介した3つの方法を実行に移すための、具体的なステップを提示します。重要なのは、完璧を目指すのではなく、まず小さく始めて、データを見ながら改善していくことです。
フェーズ1:USPの再定義とブランディングの徹底(1〜3ヶ月)
Week 1-2:市場とニーズの把握
・既存顧客にアンケートを実施(なぜこのサロンを選んだのか、満足している点、改善してほしい点)
・競合サロン(特に大手チェーン)のウェブサイトやSNSをリサーチし、どんな訴求をしているか分析
Week 3-4:自社の強みの洗い出し
・スタッフミーティングを開き、「うちのサロンの強みは何か」「どんなお客様に喜ばれているか」を話し合う
・独自性の高い要素(技術、商品、雰囲気、接客など)をリストアップ
Month 2:USPの言語化とコンセプトの確定
・顧客ニーズと自社の強みを組み合わせ、USPを1〜2文で言語化
・ブランドコンセプトを明確にし、スタッフ全員で共有
Month 3:情報発信の一貫性を確保
・ウェブサイトやSNSのプロフィールをコンセプトに合わせて修正
・スタッフの経歴や顔写真、得意施術を詳細に公開
・店内のPOP、メニュー表、名刺なども統一感を持たせる
フェーズ2:顧客体験の向上とリピーター基盤の構築(3〜6ヶ月)
90日間フォローアップの仕組み構築
・新規顧客リストを作成し、来店後のフォロースケジュールを設定
・サンクスレター、ケアアドバイス、クーポン配信のテンプレートを準備
・予約管理システムを導入し、自動リマインダー機能を活用
顧客管理の徹底
・顧客ごとの施術履歴、好み、悩みを記録
・リピート率、来店間隔などのKPIを設定し、毎月モニタリング
ロイヤルティプログラムの設計
リピーター専用の特典を設計(優先予約、特別メニュー、割引など)
VIP顧客向けの特別サービス(送迎、記念日特典など)を検討
フェーズ3:デジタルマーケティングの最適化(継続的)
MEO対策の実施
・Googleビジネスプロフィールの情報を充実させる
・定期的に投稿(新メニュー、キャンペーン情報など)
・口コミへの返信を習慣化
SNS運用の本格化
・週2〜3回、ビフォーアフター写真やサロンの雰囲気を投稿
・地域のイベントや季節に合わせたコンテンツを発信
・フォロワーとのエンゲージメントを高める(コメント返信、ストーリーズ活用)
少額広告のテスト
・Instagram広告やGoogle広告を月1〜3万円程度の少額から開始
・地域ターゲティングで近隣住民にリーチ
・効果測定を行い、効果の高い媒体に予算を集中
KPI設定とデータ分析
以下のKPIを設定し、毎月モニタリングします:
・新規顧客数:月何人の新規客を獲得できているか
・リピート率:初回顧客のうち、3ヶ月以内に再来店した割合
・平均来店間隔:顧客が平均して何ヶ月に1回来店しているか
・顧客単価:1回の来店あたりの平均売上
・広告費対効果:広告費1円あたり何円の売上を生んでいるか
これらのデータを見ながら、PDCAサイクルを回し、継続的に改善していきます。
<要点>
・フェーズ1(1〜3ヶ月):USP再定義とブランディング徹底
・フェーズ2(3〜6ヶ月):90日間フォローアップとリピーター基盤構築
・フェーズ3(継続):MEO、SNS、少額広告でデジタル最適化
・KPIを設定し、データを見ながらPDCAを回す
まとめ
近隣に大手チェーン店ができても、価格競争に巻き込まれる必要はありません。独立系サロンが取るべき戦略は、
(1)独自の強み(USP)を明確にして専門性で勝負する
(2)顧客体験の質を高めて90日以内に固定客化する
(3)MEOとSNSで地域での存在感を高める、という3つです。
立地不利も「隠れ家サロン」として強みに転換でき、一貫したブランディングで価格以外の価値を伝えることができます。まずは小さく始めて、データを見ながら改善を重ねていきましょう。あなたのサロンにしかない価値を磨き、選ばれるサロンを目指してください。
FAQ
Q1. 大手チェーン店が近くにできたら、やはり価格を下げるべきではないですか?
A1. 価格を下げることは短期的には集客につながるかもしれませんが、利益率の低下→品質低下→ブランド毀損という悪循環を生みます。大手チェーンは資本力があるため、価格競争では勝てません。独立系サロンは、専門性・顧客体験の質・地域との結びつきなど、価格以外の価値で差別化すべきです。顧客は「安さ」だけで選ぶのではなく、「このサロンにしかない価値」を求めている層も多く存在します。
Q2. USPを明確にするのが難しいです。どこから始めればよいですか?
A2. まずは既存顧客にアンケートを取り、「なぜこのサロンを選んだのか」「満足している点は何か」を聞くことから始めてください。顧客の声の中に、あなたが気づいていない強みが隠れていることが多いものです。次に、スタッフと「うちのサロンの得意なことは何か」を話し合います。競合(特に大手チェーン)が提供していない要素が、あなたのUSPになる可能性が高いです。完璧を目指さず、まず暫定的にUSPを言語化して試してみることが重要です。
Q3. リピート率を上げるために、どのタイミングでフォローアップするのが最適ですか?
A3. 最も重要なのは、初回来店後の3ヶ月間です。初回から7日以内にサンクスレターを送り、7〜30日以内にケアアドバイスとクーポンを送り、60〜90日以内に次回予約の案内をするという流れが効果的です。特に、3ヶ月以内に2回以上来店してもらえると、固定客になる確率が7倍に跳ね上がるというデータがあります。予約管理システムを使えば、これらのフォローアップを自動化できるので、手間をかけずに継続できます。
Q4. MEOやSNSに時間をかける余裕がありません。優先順位をつけるとしたら?
A4. まずはGoogleビジネスプロフィールの登録と基本情報の充実を最優先してください。これだけでも地域検索での露出が大きく変わります。次に、口コミへの返信を習慣化します(週に1回、10分程度)。SNSは毎日投稿する必要はなく、週2〜3回、施術のビフォーアフター写真を投稿するだけでも効果があります。完璧を目指さず、できる範囲で継続することが大切です。慣れてきたら、少額の広告(月1〜3万円)を試してみるのもよいでしょう。
Q5. 駅から遠い立地ですが、本当に「隠れ家サロン」として成功できるのでしょうか?
A5. はい、可能です。ただし、「隠れ家」というコンセプトを明確に打ち出し、それに見合った価値を提供することが前提です。駅から遠いことを「静けさ」「プライベート感」「特別な空間」という付加価値に転換し、徹底的な情報公開(スタッフの顔や専門性、店内の雰囲気)で来店前の不安を払拭します。VIP顧客への送迎サービスなど、物理的な不利を補う特典も有効です。実際に、立地が不利でも独自のコンセプトで成功しているサロンは多く存在します。「わざわざ行く価値がある」と思ってもらえる仕掛けを作ることが鍵です。
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