その「店内BGM」違法になっていませんか?JASRAC手続きと著作権フリー音源の活用法
更新日:2026年2月16日
- 店舗でCDやダウンロード音源をBGMとして流すにはJASRACへの申請・支払いが必要
- Spotify・Apple Musicなどの定額制サービスは店舗BGMとしての利用が規約で禁止されている
- 美容サロン(500m²以下)のJASRAC使用料は年間6,600円(税込)から
- ラジオやテレビの放送を家庭用機器で流す場合は手続き不要
- 店舗向けBGMアプリや著作権フリー音源を活用すれば、手続きの手間を省ける
なぜ店内BGMに著作権が関係するのか
結論から言うと、店舗でBGMを流す行為は著作権法上の「演奏」に該当し、権利者への許諾が必要となります。
著作権法で定められている「演奏権」とは、生のライブやコンサートだけでなく、CDなど録音された音源の再生も含まれます。つまり、店内でCDやダウンロードした楽曲を流す行為は、たとえ購入した音源であっても「演奏」にあたるのです。
「でも、お客様からBGMの対価はもらっていないのに?」と思われる方もいるでしょう。しかし、美容サロンのような営利目的の事業を行う場所での利用は、たとえBGM再生そのものから直接収益を得ていなくても、お客様にリラックスしていただく雰囲気づくりの一環として営利目的とみなされます。
JASRACとは何をしている団体なのか
JASRAC(一般社団法人日本音楽著作権協会)は、作詞家・作曲家から著作権の管理委託を受け、利用許諾と使用料の徴収を行う団体です。権利者が個別に許諾を出すのは現実的ではないため、JASRACが「権利の窓口」として機能しています。支払われた使用料は、規定のルールに基づいて権利者であるクリエイターに分配される仕組みです。
2002年以降、すべての店舗で手続きが必要に
かつては、ディスコやダンスホールなど音楽を使って直接利益を得る施設のみが対象でした。しかし、国際条約との整合性から著作権法が改正され、2002年4月以降はすべての店舗でBGM利用に許諾が必要となりました。古くから経営されているオーナーの中には、この変更を知らない方もいらっしゃるかもしれません。
- 店舗でのBGM再生は著作権法上の「演奏」に該当する
- 美容サロンは営利目的の場所として、許諾なしでの利用は著作権侵害となる
- JASRACは著作権者に代わって許諾と使用料徴収を行う団体である
- 2002年の法改正以降、すべての店舗でBGM利用に手続きが必要になった
JASRAC手続きの基本と申請方法
結論として、JASRACへのBGM利用申請はオンラインで手続き可能で、個人事業主でも法人でも申し込みができます。
申請から許諾までの流れは以下のとおりです。
オンライン申請の手順
まず、JASRACのウェブサイトにある「BGM利用のオンライン申請フォーム」にアクセスします。ここで店舗名、所在地、面積、事業者の情報などを入力していきます。画面の指示に従って必要な情報を登録すれば、第一段階は完了です。
オンライン登録が完了すると、「許諾申込書」をダウンロード・印刷できるようになります。この書類に内容を確認し、署名・捺印のうえ、指定されたJASRACの宛先へ郵送します。デジタルで完結せず、物理的な書類提出が必要となる点に注意してください。
申請にかかる期間
著作権の申請がおりるまでには、およそ2週間前後かかるとされています。許諾が下りるまでの期間は、CDなどを店舗BGMとして使用することはできませんので、開業準備の段階で余裕を持って申請しておくことが大切です。
手続きを怠るとどうなるか
JASRACは2015年から、BGMを無許諾で利用している店舗に対して全国で法的措置を開始しています。2018年には、手続きに応じなかった美容室や理容店、飲食店など全国151事業者166店舗に対して民事調停を申し立てました。調停が成立しない場合は訴訟に発展し、損害賠償請求と事業者名・店舗名の公開が行われるケースもあります。
- 申請はJASRACのウェブサイトからオンラインで開始できる
- 申込書の郵送が必要で、許諾までは約2週間かかる
- 開業前に余裕を持って申請することが重要
- 無許諾での利用は法的措置の対象となり、損害賠償請求を受けるリスクがある
美容サロンの使用料はいくらかかる?
結論として、一般的な美容サロン(500m²以下)であれば、年間6,600円(税込)からBGMを利用できます。
JASRACの使用料は店舗面積によって決まります。以下が主な料金体系です(2025年現在)。
店舗面積別の年間使用料
500m²までの店舗は年額6,000円(税別)、1,000m²までは年額10,000円(税別)となっています。個人経営の美容サロンやネイルサロン、エステサロンであれば、ほとんどの場合500m²以内に収まるでしょう。月額に換算すると約500円程度という計算になります。
「思ったより高いイメージがあった」という方も多いのではないでしょうか。実際には、ワンコインほどの月額負担で著作権をクリアできるのです。
支払い方法と契約形態
料金プランには「年単位」と「月単位」の包括契約が用意されています。継続的に利用する場合は年額契約がお得です。また、チェーン店など複数店舗を経営されている場合は、一括契約も可能です。
許諾済みの証明
JASRACと正式に利用許諾契約を結ぶと、その証明としてステッカーが交付されることがあります。店舗入り口などにこのステッカーを掲示することで、適切に著作権処理を行っている証となります。
- 500m²以下の店舗は年間6,600円(税込)で利用可能
- 月額換算で約500円程度とリーズナブルな負担
- 複数店舗の場合は一括契約でまとめることもできる
- 契約後はJASRACのステッカーが交付される場合がある
JASRACへの手続きが不要なケース
結論として、ラジオやテレビの放送を家庭用機器で流す場合や、著作権処理済みの業務用BGMサービスを利用する場合は、店舗オーナー自身による手続きは不要です。
ラジオ・テレビ放送を流す場合
著作権法には「伝達権」という規定があり、「放送される著作物を通常の家庭用受信装置を用いて伝達する場合」は権利者の許諾が不要とされています。つまり、業務用の特別な装置ではなく、家庭用の一般的なラジオやテレビを使って放送を流す分には、JASRACへの手続きや支払いは必要ありません。
ラジオで流れる楽曲については、すでにラジオ局側が著作権使用料を支払っているため、店舗側で重ねて支払う必要はないのです。
有線放送・店舗向けBGMサービスを利用する場合
有線放送事業者や店舗向けBGMアプリは、サービス提供者側がJASRACと契約を結んでいます。そのため、これらのサービスを利用する店舗は、個別に著作権手続きを行う必要がありません。月額料金の中に著作権使用料が含まれているケースがほとんどです。
注意が必要なケース
ただし、個人向けの音楽配信サービス(Spotify、Apple Music、Amazon Music、YouTube Musicなど)は、たとえ月額料金を支払っていても店舗BGMとしての利用は規約で禁止されています。これらは個人利用を前提としたサービスであり、商用利用のための著作権処理がなされていないためです。
同様に、YouTubeなどの動画配信サービスも商用利用はNGです。「カフェ用BGM」などのタイトルで長時間の音楽動画がアップロードされていますが、これらを店舗で流すと著作権侵害となるリスクがあります。
- 家庭用ラジオ・テレビで放送を流す場合は手続き不要
- 有線放送や店舗向けBGMサービスは著作権処理済みのため手続き不要
- Spotify・Apple Musicなどの個人向けサービスは店舗利用が規約違反
- YouTubeなどの動画サイトも商用利用はNGとなっている
著作権フリー音源・店舗BGMサービスの活用法
結論として、著作権フリー音源や店舗向けBGMアプリを活用すれば、煩雑な手続きなしに合法的にBGMを導入できます。
店舗向けBGMアプリのメリット
近年、多くの店舗で利用されているのが店舗向けBGMアプリです。スマートフォンやタブレットにアプリをダウンロードするだけで利用でき、工事も不要。著作権処理も完了しているため、面倒な申請手続きがありません。
月額料金は、従来の有線放送(月額5,000円前後)と比較すると、550円〜2,000円程度とリーズナブルなサービスが多く登場しています。また、カフェ向け、サロン向け、クリニック向けなど業態に合わせたチャンネルが用意されているため、選曲の手間も省けます。
代表的な店舗BGMサービス
店舗BGMアプリには様々なサービスがあり、それぞれ特徴が異なります。JASRACに登録されていないフリーアーティストの楽曲のみを配信する低価格帯のサービスから、有名アーティストの楽曲を含む豊富なラインナップを持つサービスまで幅広く存在します。
サービス選びのポイントは、楽曲数、ジャンルの幅、月額料金、無料トライアル期間の有無などです。まずはトライアル期間を活用して、実際に店舗で流してみることをおすすめします。
無料で使える著作権フリー音源サイト
コストを極力抑えたい場合は、著作権フリー音源を配布しているウェブサイトの活用も選択肢の一つです。商用利用可能と明記されている楽曲であれば、無料でダウンロードしてBGMとして使用できます。
ただし、選曲に手間がかかること、クオリティにばらつきがあること、楽曲数が限られることなどのデメリットもあります。また、利用規約を十分に確認し、商用利用が本当に可能かどうかを必ずチェックしてください。
- 店舗向けBGMアプリは月額550円〜2,000円程度で利用可能
- 著作権処理済みのため、煩雑な申請手続きが不要
- 業態に合わせたチャンネルで選曲の手間も省ける
- 無料の著作権フリー音源も活用できるが、品質や選択肢に限りがある
サロンの雰囲気を高めるBGM選びのポイント
結論として、BGMは単なる音楽ではなく、サロンのブランドイメージを左右する重要な要素です。ターゲット層や提供する世界観に合わせた選曲を心がけましょう。
サロンコンセプトとの統一感
高級感を演出したいサロンであれば、ボサノバやピアノジャズ、カフェミュージックなど落ち着いた選曲が効果的です。ポップス系の有線から切り替えるだけでも、店内の印象はしっとりと落ち着いたものに変わります。あるエステサロンでは、価格改定に合わせてBGMを環境音楽に統一したところ、「まるでホテルスパのよう」と好評を得たという事例もあります。
時間帯による使い分け
朝の開店時間帯は爽やかで明るい曲調、午後はリラックスできるゆったりとした楽曲、夕方以降は落ち着いたジャズやボサノバなど、時間帯によってBGMを変えることで、より洗練された空間演出が可能です。店舗向けBGMサービスの多くは、こうした時間帯別の自動切り替え機能を備えています。
音量バランスの調整
意外と見落とされがちなのが、スピーカーの配置と音量バランスです。席によって音がうるさかったり、逆に聞こえにくかったりすると、お客様の居心地に影響します。高級店ほど音環境に気を遣っているものです。導入時には、実際に各席に座って聞こえ方を確認しましょう。
- BGMはサロンのブランドイメージを左右する重要な要素
- 高級感を出すならボサノバやピアノジャズなど落ち着いた選曲が効果的
- 時間帯によってBGMを切り替えることでより洗練された演出が可能
- スピーカーの配置と音量バランスの調整も忘れずに行う
まとめ
美容サロンにおけるBGMの著作権問題は、知らないうちに法的リスクを抱えてしまう可能性がある重要なテーマです。購入したCDや定額制音楽アプリを店舗BGMとして使用することは、著作権侵害に該当する可能性があります。
対応方法は大きく3つあります。1つ目はJASRACに直接申請して使用料(年間6,600円〜)を支払う方法。2つ目は著作権処理済みの店舗向けBGMサービスを利用する方法。3つ目はラジオなど手続き不要な方法で対応することです。
最も手軽で安全なのは、店舗向けBGMアプリの導入でしょう。月額1,000円前後から利用でき、著作権の心配なくサロンの雰囲気に合った音楽を流すことができます。
BGMは、お客様の居心地を左右する大切な空間演出要素です。法令を遵守しながら、サロンの世界観を高める音楽を選んでいきましょう。予約管理システム「ビューティーメリット」では、サロン運営に関するさまざまな情報を発信しています。経営効率化と合わせて、店舗環境の整備もぜひ検討してみてください。
よくある質問
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