サブスクが向かない店の美容サロン7つの特徴
サブスクが向かない店の美容サロン7つの特徴|導入前チェック

サブスクが向かない店の美容サロン7つの特徴|導入前チェック

更新日:2026年1月12日

美容サロンの安定収益を目指してサブスク(定額制)の導入を検討していませんか?実は、サブスクモデルはすべてのサロンに適しているわけではありません。リピート率や客層、スタッフ体制など、いくつかの条件が揃わないと「導入したけど失敗した」という結果になりかねないのです。本記事では、サブスク導入前にチェックすべき7つの特徴と、自店に合った判断基準を詳しく解説します。
【大事なこと】

  • サブスクはリピート率が50%未満のサロンには不向きな傾向がある
  • 新規客の獲得が主目的のサロンは、先に既存客の定着施策を優先すべき
  • スタッフの稼働管理ができないとサブスク会員で予約枠が圧迫される
  • メニューの原価率が高い業態は収益性が悪化しやすい
  • サブスクより「回数券」が合うケースも多い

サブスク(定額制)とは?美容サロンにおける基本的な仕組み

サブスクリプション(定額制)とは、月額や年額の固定料金を支払うことで、一定のサービスを継続的に受けられる仕組みです。美容サロンの場合、月額○○円で「カットし放題」「トリートメント受け放題」といったメニューが代表的なパターンでしょう。

サブスクには大きく分けて2つのタイプがあります。ひとつは施術回数が無制限の「使い放題型」、もうひとつは月に○回までと上限を設ける「回数制限型」です。どちらを選ぶかで収益構造がまったく変わるため、自店の状況に合わせた設計が欠かせません。

近年、美容業界ではサブスクを導入するサロンが増えています。背景には、売上の安定化やリピーターの囲い込み、顧客の来店頻度向上といった狙いがあります。しかし、すべてのサロンでうまくいくわけではなく、条件が整っていないと赤字になるリスクも無視できません。

【要点まとめ】

  • サブスクは月額固定で継続サービスを提供する収益モデル
  • 「使い放題型」と「回数制限型」の2タイプが存在する
  • 売上安定化が期待できるが、条件次第で赤字リスクもある

特徴1:リピート率が50%未満のサロン

サブスク導入を成功させるには、既存顧客のリピート率が最低でも50%以上は必要とされています。業界の調査によると、美容室における新規顧客のリピート率は平均約30%、既存顧客でも約70%程度が一般的です。安定経営の目安とされる理想値は、新規で50%、既存で90%といわれています。

リピート率が低いサロンがサブスクを導入すると、会員になっても継続しない顧客が多発します。初月だけ利用して解約されるケースが増えると、会員獲得にかけた広告費や手間が無駄になってしまいます。

まずはサブスク導入よりも、次回予約の声かけや来店後のフォローアップといったリピート施策を優先しましょう。新規顧客が「3ヶ月以内に2回以上再来店」すると、固定客になる確率が7倍に跳ね上がるというデータもあります。この基盤ができてからサブスクを検討しても遅くはありません。

【要点まとめ】

  • サブスク成功にはリピート率50%以上が目安
  • リピート率が低いと会員が継続せず損失につながる
  • 先にリピート施策で顧客基盤を固めるのが優先

特徴2:新規集客に依存している経営体質

大手集客サイトからの新規顧客に売上の大部分を依存しているサロンは、サブスクとの相性がよくありません。なぜなら、集客サイト経由のお客様は「安いクーポン目当て」で来店する傾向があり、サブスクの月額料金を払って継続する意識が低いからです。

新規顧客の獲得コストは、既存顧客を維持するコストの約5倍かかるとされています。常に新規を追い続ける経営は、広告費が固定費として経営を圧迫し、利益率を下げる構造に陥りやすいのです。

サブスクは本来、すでに自店のファンになっている顧客を「離さない」ための仕組みです。新規集客に頼っている状態では、サブスク会員の母集団が育ちません。まずは新規で来店した顧客を確実にリピーターに転換させる仕組み(次回予約の提案、来店後のLINEフォローなど)を整えることが先決です。

【要点まとめ】

  • 集客サイト依存型はサブスク継続率が低い傾向
  • 新規獲得コストは維持コストの5倍かかる
  • リピーター育成の仕組みを先に整えることが重要

特徴3:スタッフの稼働管理ができていない

サブスク会員が増えると、予約枠の管理が複雑になります。月額を払っている会員は「元を取りたい」と考えるため、来店頻度が高くなりがちです。稼働管理ができていないサロンでは、サブスク会員で予約枠が埋まってしまい、新規顧客や単発メニューの高単価顧客を受け入れる余裕がなくなります。

特に一人サロンや小規模店(セット面1〜2席)では、サブスク会員の来店が集中すると売上の天井がすぐに見えてしまいます。月に○人までしか受けられないのに、サブスク会員だけで枠が埋まると客単価が固定され、成長の余地がなくなるのです。

サブスクを導入するなら、予約システムで「サブスク枠」と「通常枠」を分けて管理する体制が必要です。ビューティーメリットなどの予約管理システムを活用すれば、会員種別ごとの予約枠設定や稼働状況の可視化が可能になります。この管理体制が整っていない段階での導入は避けた方がよいでしょう。

【要点まとめ】

  • サブスク会員の来店増で予約枠が圧迫されるリスク
  • 小規模店は特に売上の天井が見えやすい
  • 予約システムでの枠管理体制が導入の前提条件

特徴4:メニューの原価率が高い

美容業界では、材料費(変動費)の目安は売上高の5〜10%程度とされています。しかし、トリートメントやカラー、ヘッドスパなど、薬剤や材料を多く使うメニューをサブスクの対象にすると、利用回数が増えるほど原価がかさみ、収益性が悪化します。

たとえば、通常1回5,000円・原価1,000円のトリートメントを「月額8,000円で2回まで」のサブスクにした場合を考えてみましょう。毎月2回フルで使われると原価は2,000円、残り6,000円が粗利です。しかし、これが「使い放題」で月3回以上使われると、単価あたりの利益がどんどん下がっていきます。

サブスクを設計する際は、メニューごとの原価率を可視化し、利用頻度のシミュレーションを行うことが欠かせません。原価率が高いメニュー(カラー剤を多用する施術など)は対象から外すか、回数制限を厳しく設けるといった工夫が必要です。

【要点まとめ】

  • 変動費(材料費)の目安は売上の5〜10%
  • 原価率が高いメニューは使い放題で赤字リスク
  • 原価率の可視化と利用頻度シミュレーションが必須

特徴5:客単価のばらつきが大きい

サブスクは「月額固定」で収益を安定させる仕組みですが、もともと客単価にばらつきが大きいサロンでは、高単価顧客を失うリスクがあります。たとえば、カット+カラー+トリートメントで1回15,000円を払っていた顧客が、月額10,000円のサブスクに切り替えると、売上が下がってしまいます。

売上は「客数×客単価×来店頻度」で構成されます。サブスクで来店頻度は上がっても、客単価が固定されることで、トータルの売上が伸びないケースは少なくありません。特に、すでに高単価で通っているロイヤル顧客をサブスクに誘導すると、逆効果になることがあるのです。

サブスク導入時は、対象とする顧客層を明確にしましょう。理想的なのは「来店頻度が低い中単価層」をターゲットにすることです。頻度を上げることで売上アップが期待でき、かつ高単価顧客の客単価を下げるリスクを回避できます。

【要点まとめ】

  • 高単価顧客がサブスクに切り替えると売上ダウン
  • 売上=客数×客単価×来店頻度を意識した設計が必要
  • 「来店頻度が低い中単価層」をターゲットにすると効果的

特徴6:解約時の対応ルールが曖昧

サブスクを始める前に、解約ルールを明確に定めておかないとトラブルの原因になります。「いつまでに申し出れば翌月から停止か」「途中解約の返金はあるか」「休会制度はあるか」といった条件が曖昧だと、顧客との信頼関係を損なうことになりかねません。

特に美容サロンの長期契約は、特定商取引法の「特定継続的役務提供」に該当する可能性があります。施術代、入会費、商品代金の総額が5万円超で1ヶ月を超える契約は、書面交付やクーリングオフ制度の説明が義務となる場合があります。法的リスクを避けるためにも、契約条件は書面で明示しましょう。

また、解約率を下げるための「続けたくなる特典」の設計も重要です。たとえば、継続3ヶ月ごとにポイント付与、半年継続で特別メニュー無料といった仕組みがあると、顧客の離脱を防ぎやすくなります。解約導線の見直しと継続特典のセットで設計することをおすすめします。

【要点まとめ】

  • 解約ルールが曖昧だと顧客トラブルの原因に
  • 特定商取引法の対象になる可能性があり、書面交付が必要
  • 「続けたくなる特典」で解約率を下げる設計も重要

特徴7:そもそも回数券の方が合うケース

サブスクと回数券は似ているようで、収益構造が大きく異なります。サブスクは「毎月の継続課金」、回数券は「先払いの前売り」です。顧客の来店頻度が不安定なサロンや、季節変動が大きい業態では、サブスクよりも回数券の方が適している場合があります。

回数券のメリットは「先にまとまった売上が入る」点です。顧客が使い切らなければ利益率も高くなります。一方、サブスクは毎月の安定収入が見込める代わりに、利用されるほど原価がかかるリスクがあります。

小規模サロンで「まずは安定収入を確保したい」という場合は、回数券から始めるのがおすすめです。3回券や5回券を販売して顧客の反応を見つつ、回数券の消化率や継続購入率が高ければ、サブスクへの移行を検討するという段階的なアプローチが現実的でしょう。

【要点まとめ】

  • 回数券は「先払い前売り」、サブスクは「継続課金」で構造が違う
  • 来店頻度が不安定なら回数券の方がリスクが低い
  • 小規模店は回数券からスタートして段階的に移行が現実的

サブスク導入前の7項目チェックリスト

ここまで解説した7つの特徴を踏まえ、サブスク導入前に確認すべきポイントをチェックリストにまとめました。以下の項目に「はい」と答えられる数が多いほど、サブスク導入の準備が整っているといえます。

□ 既存顧客のリピート率が50%以上ある
リピート基盤がないとサブスク会員が定着しません。

□ 新規集客サイトへの依存度が低い(売上の30%未満)
自店のファンを中心に会員を集められる状態が理想です。

□ 予約システムで稼働管理ができている
サブスク枠と通常枠を分けて管理できる体制が必要です。

□ 対象メニューの原価率が10%以下
原価率が高いメニューは収益性が悪化しやすいです。

□ ターゲットとする顧客層が明確
高単価顧客ではなく、来店頻度を上げたい中単価層を狙いましょう。

□ 解約・休会ルールを明文化できる
トラブル防止と法令遵守のために必須です。

□ 回数券との比較検討をした
自店に合った収益モデルを選ぶ判断材料になります。

【要点まとめ】

  • 7項目中5つ以上「はい」ならサブスク導入の準備が整っている
  • 3つ以下の場合は先にリピート施策や体制整備を優先
  • 判断に迷う場合は回数券からスタートするのも選択肢

まとめ:自店に合った収益モデルを選ぼう

サブスク(定額制)は、美容サロンの売上を安定させる有力な手段のひとつです。しかし、すべてのサロンに向いているわけではありません。リピート率、顧客層、スタッフ体制、原価率など、複数の条件が揃わないと「導入したけど赤字」という結果になりかねません。

今回ご紹介した7つの特徴に当てはまる項目が多い場合は、サブスクよりも先に取り組むべき課題があるはずです。まずは既存顧客のリピート率を上げる施策(次回予約の声かけ、来店後のフォロー、顧客管理の徹底)に注力しましょう。

顧客との関係性が深まり、「このサロンに通い続けたい」と思ってもらえる状態ができてから、サブスクや回数券といった継続課金モデルを検討するのが王道です。ビューティーメリットなどの予約・顧客管理システムを活用すれば、リピート率の把握から会員管理まで一元化でき、サブスク導入の判断材料を揃えやすくなります。

焦らず自店の強みと課題を見極め、最適な収益モデルを選んでいきましょう。

FAQ

Q1. サブスクと回数券、どちらが小規模サロンに向いていますか?
A1. 小規模サロンには、まず回数券から始めることをおすすめします。回数券は先払いでキャッシュフローが安定しやすく、利用されなければ利益率も高くなります。顧客の反応を見ながら、継続購入率が高ければサブスクへの移行を検討する段階的なアプローチが現実的です。
Q2. リピート率が低い状態でサブスクを始めるとどうなりますか?
A2. 会員になっても継続しない顧客が多発し、初月だけ利用して解約されるケースが増えます。会員獲得にかけた広告費や労力が無駄になり、結果的に赤字になるリスクが高まります。まずはリピート率50%以上を目指して、次回予約の声かけやフォロー施策を優先しましょう。
Q3. サブスク導入に適した顧客層はどんな人ですか?
A3. 理想的なターゲットは「来店頻度が低い中単価層」です。サブスクで来店頻度を上げることで売上アップが期待でき、かつ高単価顧客の客単価を下げるリスクを回避できます。すでに高単価で通っているロイヤル顧客をサブスクに誘導すると、逆に売上が下がる可能性があるため注意が必要です。
Q4. サブスクの解約トラブルを防ぐにはどうすればよいですか?
A4. 解約・休会ルールを事前に明文化し、契約時に書面で説明することが基本です。「いつまでに申し出れば翌月から停止か」「途中解約の返金はあるか」などを明確にしましょう。また、継続特典(3ヶ月継続でポイント付与など)を設けることで、解約率を下げる効果も期待できます。
Q5. サブスクで予約枠が埋まってしまうリスクはどう防げばよいですか?
A5. 予約システムで「サブスク会員枠」と「通常枠」を分けて管理する体制を整えましょう。ビューティーメリットなどの予約管理システムを活用すれば、会員種別ごとの予約枠設定や稼働状況の可視化が可能です。事前に枠数の上限を決めておくことで、新規顧客や高単価顧客の受け入れ余地を確保できます。

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