公式アプリとダイナミックプライシングで単価向上を実現した美容サロンの戦略
更新日:2025年12月15日
公式アプリによる顧客接点の強化と、ダイナミックプライシングの戦略的な活用で客単価向上とトラブル回避を両立させたnalu.様。複雑化したクーポン設計を一元化し、「お客様に探してもらう」という心理を活かした価格設定で、前年比数百円単位の単価アップを実現。美容師が自信を持って価値を伝えるためのツールとして、ダイナミックプライシングの可能性を語る。
本記事は、2022年1月15日のインタビューを再編集したものです。記事の内容は取材当時の情報です。価格・店舗情報・住所等も取材時点のものとなりますので、最新情報は公式サイト等でご確認ください。
──ビューティーメリット導入の経緯を教えてください。
一番の決め手はやはり公式アプリです。予約連動については以前使っていたポスシステムでも問題はなかったのですが、公式アプリになることでアプリのロゴをお客様が毎日見ることによって、自分たちのサロンを毎日思い出してもらえるというところにすごく価値を感じて切り替えさせていただきました。
──導入後のお客様の反応はいかがでしたか?
最初にアプリを導入してもらう時に懐疑的なお客様もいらっしゃるのですが、最後まで僕たちのサービスを一貫して受けていただいた後は、「今後このアプリで予約を取ればいいの?」とか「このアプリで他にもっとサービスが良くなることはあるの?」というふうに確認を取っていただくことも多くて、アプリを通じてコミュニケーションの幅が広がっているような気がしますね。
お客様からは「シンプルで見やすくなった」「分かりやすい」というお声をすごくいただきます。また、アプリの中にECオンラインショップが入ったというのもすごく強みになっていると思っています。ECの方がすごく動くというよりは、ECで商品を見て、僕たちのブログなども見てもらって店頭でお声をかけていただいて、ホームケアだったりスタイリング剤というところをお客様に届けることができるので、一つのきっかけのツールになっているのではないかと思っています。
──導入後のスタッフの声はいかがですか?
システムを切り替えたタイミングだったので、最初はいろいろと使い勝手に対して不慣れな部分もやはりあったのですが、とにかく予約やスタッフの重複だったりトラブルがすごく少ないというのは、この1年以上使ってみたところの使用感として本当にあります。スタッフからの質問というのも少なく感じますね。直感的に操作ができているのかなというふうに思います。
──ダイナミックプライシングを利用して感じたことを教えてください。
うちのサロンではダイナミックプライシングを導入させていただいてから、前年比で比べると数百円単位で客単価が上がっています。お客様の数もそれぞれに上がってきていますし、ダイナミックプライシングを使ったことによって起きているデメリットだったりトラブルというのは、もう全くないと言っても過言ではないぐらいほとんどトラブルなく運用ができていると思います。
単価が下がるということに関してネガティブな発言も多いと思うのですが、実際、単価を下げるのも上げるのも、やはり僕たちの技術というところが一番大きなポイントになってくると思うんです。ダイナミックプライシングを使ったから下がるというよりは、それに見合った価値をやはり提供できていないから下がるというところにイコールになると思うので、やはり自信を持って自分たちの技術をより高い単価で感じてもらいやすくするために、ダイナミックプライシングを使って徐々に徐々に単価を上げていくという方が、使い勝手としてはすごく良いのかなと思います。
──ダイナミックプライシングのメリットはどういった点でしょうか?
僕的にはすごくいいなと直感的に感じましたね。特にクーポンがすごく多様化していて、平日のクーポンだったり時間限定のクーポンだったり、結構いろんな同じメニューでもどこで予約するかによってクーポンが変わってしまう。そのクーポンまでたどり着かないお客様が結構いらっしゃったと思うんですよね。2ページ目になったり3ページ目になっちゃうと、せっかくその時間帯のお得なクーポンがあってもそこにたどり着かないとやっぱり意味がないなというのをずっと感じていました。
ダイナミックプライシングを使わせてもらった時の一番のメリットは、そういうごちゃごちゃっとしたクーポンを全部一つにまとめてお客様に提供できること。お客様も、「この時間だったら余裕があるけど、1時間前の時間だったらちょっと安くなるんだったらそこで来てみようかな」という選択ができる。僕たちにとってもロスがすごくなくなるというところに魅力を感じて使わせていただいています。
──お客様はどのような単価帯を選ばれますか?
うちのサロンでは高い方の単価のご予約の方がとても多くいただいております。なのでまだまだ伸ばせる余力はあるのかなと思いますし、もっともっと単価を上げて自分たちの価値を高めていきたいなというふうに思っています。
──ダイナミックプライシングで単価を上げるコツはありますか?
うちのサロンで一番意識した点は、いかに一番安い価格を提供するように動かそうとは考えずに、より高い単価が目立つように価格設定をしたというところが一番のポイントですね。やはり一番最高値の金額をお客様の目に触れさせておくことによって、いつでも単価を上げやすい環境を作れるのかなと思っています。
安い単価だけを結構意識して作ってしまうと、お客様が単価を上げた時によりインパクトが強くなってしまうかなと思ったので、あえて単価が低いゾーンというのは結構狭めて、自分たちが一番動かしたい単価を一番増やしました。
ちょっと捨てになっちゃうかもしれないのですが、やっぱり一番高い、本来一番取りたい金額というのをちゃんと残しておくことによって、今後お店の稼働率というのが上がってきたときに単価の移行というのがスムーズにできるようになんとなく意識はしていますね。その結果、一番安い単価というよりかは真ん中ぐらいが動くような形にはなっています。
単価を上げてダイナミックプライシングを使いたい、というのには一応理由があって。女性のお客様って、とにかくお得なものが好き、セールが好きだったりバーゲンが好きだったりという女性の心理があるんです。安いものがどこかにあるんじゃないかというふうに探してもらうということがすごく大事かなと思っています。
多分、サロンのエリアとかにもよるとは思うのですが、僕たちが対応させていただいているお客様に関しましては、500円とか1000円とかというのはもしかしたらちょっと誤差というふうに思っているお客様も多いのかもしれないんです。でも、どこかに今までと同じクーポンの値段があるのかなというふうに探してもらえるだけで、より安い、僕たちが動かしたい価格帯の日にちで予約をいただけるんじゃないかなと思って。あえてその金額を使わずに全部高い値段で作っちゃいました。
そうすることによって、例えば当日限定の予約とかを今まで一番安くしていた金額にしても、僕たちにとってマイナスというのが少なくなりますし、自分たちの価値を上げていくためにダイナミックプライシングはすごく使いやすいんじゃないかなと思っています。
──ダイナミックプライシングを利用する価値についてお聞かせください。
ダイナミックプライシングに関しては、価値はやっぱり上げるためのものだとすごく思っています。今、美容業界の平均的な単価ってすごく上がってきていると思うんですね。一人のお客様から3万4万という単価を取るような20代前半の美容師さんというのがゴロゴロ出てきているようなこの時代で、とにかく価値をやっぱり提供するとなった時に、僕たちの中で自信を持ってそれを伝えることができない美容師さんもたくさんいると思うんですよ。
そんな美容師さんたちの中で、やっぱりこう、常に値段が変動しているダイナミックプライシングって、僕としてはやっぱり使いやすいツールだなと思っています。価値を上げるにしても下げるにしても伝え方一つかなと思うんですけど、やっぱり価値を上げる時に対してもインパクトがより和らいでお客様に伝わるのかなと思いますし。
僕たち使っている美容師にとっても、スタイリストそれぞれで多分単価を変えることも多分できるような、割とこの柔軟性のあるものかなというふうには思っているので、個人的な使い方としてはすぐ使いやすいものかなと思っています。なので、うちのサロンでもダイナミックプライシングのメニューはどんどん増やして、最終的には全部変えちゃってもいいかなというふうにも思っています。
──価格変更の際のお客様への周知はどのように行いましたか?
プッシュ通知を活用させていただいて、お客様の方にご案内をさせていただきました。料金の改定だったりとか、新しいクーポンの使用みたいなものを事前に伝えておくことによって、お客様のリアクションの悪いインパクトを減らせたのかなと思います。
コロナ対策でも、営業時間が短縮になったりとか、席数の予約数を制限させていただいたり、お客様に対して検温をしてきてもらったりとか、こういうアナウンスも全部プッシュ通知を利用させていただいたので、直接お客様と口頭でやり取りすることもなくスムーズに案内ができたのでとてもストレスがなくて助かりました。
──お客様との「つながり」の変化についてお聞かせください。
ビューティーメリットのアプリを通してお客様とやっぱりダイレクトにより繋がれるようになったかなと感じております。どうしても、最近ずっとデジタルが先行している時代の中で、僕たち美容師っていうアナログの仕事をしていて、お客様との距離が生まれてしまったりとか、お客様との心と僕たちの心が乖離してしまっている部分が近年多くなっているのかなと思っています。
やっぱりアプリっていうよりお客様にとって身近なツールを使うことによって、僕たちが伝えたいことだったり、僕たちが提供していきたいものというのをよりお客様の方で深度を深めて理解してもらえるというところが、すごく強みになっているんじゃないかなと思います。
どうしてもウェブ上での予約サイトを使われてしまうと、他のサロンに目がいってしまったりとか、他の興味に奪われてしまうようなこともある。でも、アプリを作ってもらうことによって、お客様がファンとして離れることなく営業もできますし、より届けたいものをよりダイレクトに届けることができるのかなと思っているので。よりお客様とのコミュニケーションだったりとか、お客様との関係性みたいなものをより深く構築できるアイテムになっているかなと僕は感じました。
編集後記
公式アプリによる顧客との継続的な接点づくりと、ダイナミックプライシングを活用した戦略的な価格設定の組み合わせが、単価向上とトラブル回避の両立を実現している。特に印象的だったのは、「一番高い金額を残しておく」という価格設計の考え方。単に安さを追求するのではなく、お客様に「お得感」を感じてもらいながら、サロンが本来提供したい価値に見合った単価へと段階的に誘導していく戦略は、多くのサロンにとって参考になるだろう。
取材・文 / BMマガジン編集部
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