
冬の店販強化:ギフト需要を活かしたヘアケア商品の売り方
更新日:2025年10月20日
冬は美容サロンにとって、年末年始やクリスマスのギフト需要が高まる特別な季節です。「店販商品の売上を伸ばしたいけれど、押し売りと思われたくない」「ギフト需要をどう取り込めばいいのかわからない」こうした悩みを抱える経営者の方は少なくありません。
この記事では、冬のギフトシーズンを活かした店販商品の販売戦略をご紹介します。自然な提案方法から具体的なラッピング術、デジタルツールの活用まで、利益率の高い店販売上を伸ばすための実践的なノウハウをお伝えします。お客様に喜ばれながら、サロンの収益を安定させるヒントが見つかるはずです。
冬の店販が利益改善に直結する理由
冬の店販強化は、美容サロンの収益性を大きく改善する可能性を秘めています。
店販商品の高い利益率
店販品は、施術サービスと比べて非常に高い利益率を確保できます。店販品の利益率は一般的に45%程度と言われており、材料費や人件費がかかる施術メニューと比べて、収益性の高い商品カテゴリーです。
実際に、カウンセリングでの悩み相談から自然に商品紹介を徹底したある美容室では、個人月間店販売上250万円を記録し、スタッフ5人で年間1,200万円超を店販だけで売り上げた事例も報告されています。
冬特有の髪の悩みが購買を後押し
冬は乾燥による髪のパサつき、静電気、頭皮の乾燥といったトラブルが増える季節です。これらの悩みは、年代を問わず多くのお客様が抱えているため、保湿ケア製品への需要が自然と高まります。
特に冬は、潤いを与えるトリートメントやヘアマスク、スカルプケア商品の活用が推奨される時期であり、サロン専売品の価値を実感していただきやすいタイミングと言えます。
ギフトシーズンという特別な購買心理
12月はクリスマスや年末年始を控え、大切な人へのプレゼントを探す時期です。「自分では買わないけれど、もらうと嬉しい」サロン専売のヘアケア商品は、ギフトとして非常に喜ばれるカテゴリーです。
この時期は、普段は自分用に購入しないお客様も、「誰かへのプレゼントとして」という名目で高価格帯の商品を購入しやすくなります。
<要点>
・店販品の利益率は45%程度で、施術メニューよりも収益性が高い
・冬の乾燥トラブルが保湿ケア商品への需要を自然に高める
・12月はギフト需要により高価格帯商品の購入ハードルが下がる
・成功事例では年間1,200万円超の店販売上を達成しているサロンもある
ギフト需要の本質を理解する
ギフトとして選ばれる商品には、明確な特徴があります。これを理解することが、冬の店販戦略の第一歩です。
自分では買わない「ちょっと良いもの」
ギフトとして選ばれやすいのは、日常使いよりもワンランク上の特別感がある商品です。サロン専売品は、ドラッグストアでは手に入らない品質の高さと専門性を持っているため、ギフトとしての価値を十分に訴求できます。
特に、普段使いのシャンプーより高価格帯の「プレミアムトリートメント」や「頭皮ケアセット」など、自分ではなかなか手が出ないけれど使ってみたい商品が喜ばれます。
贈る相手を想像しやすい商品
ギフトを選ぶ際、お客様は「あの人に合うかな」「喜んでくれるかな」と具体的に想像します。そのため、商品の特徴やどんな人に合うのかを明確に伝えることが重要です。
例えば「乾燥が気になる方に」「カラーを長持ちさせたい方に」「頭皮のエイジングケアを始めたい方に」といった、ターゲットを明確にした説明が、ギフト選びの判断材料になります。
ラッピングが購買を後押し
ギフト商品において、ラッピングは単なる包装ではなく、「贈り物としての価値」を高める重要な要素です。簡易的なものでも、サロンオリジナルのラッピングがあることで、お客様は安心してギフトとして購入できます。
無料ラッピングサービスを用意しておくだけでも、「ギフトとして買いやすいサロン」という印象を与え、購買を促進できます。
<要点>
・ギフトには「自分では買わないちょっと良いもの」が選ばれやすい
・どんな人に合うかを明確に伝えることで、贈る相手を想像しやすくする
・簡易的でもラッピングサービスがあることで、購買ハードルが下がる
・サロン専売品の専門性と品質の高さがギフトとしての価値を高める
自然な流れで提案するカウンセリング術
店販の成功の鍵は、「押し売り感なく、自然に提案する」ことです。
カウンセリングで髪の悩みを深掘りする
店販提案の基本は、カウンセリングで顧客の髪の悩みやライフスタイルを深く理解することから始まります。「最近、髪の乾燥が気になりませんか?」「冬になって静電気が増えていませんか?」といった質問から、お客様の悩みを引き出します。
この悩みヒアリングが、後の商品提案を「押し売り」ではなく「解決策の提示」に変えます。成功しているサロンでは、カウンセリングでの悩み相談から自然な流れで商品紹介を徹底することで、高い販売実績を上げています。
施術中に使用する商品の価値を伝える
シャンプー台では、使用しているシャンプーやトリートメントを目の前で泡立てながら、「今日はお客様の髪質に合わせて、この保湿力の高いシャンプーを使いますね」と、なぜその製品を選んだのかを丁寧に説明します。
このプロセスは、使用する製品の価値を可視化し、後の店販提案への布石となります。お客様は施術中に製品の効果を実感しているため、「自宅でも同じケアを続けたい」という気持ちが自然に生まれます。
ギフト需要を自然に引き出す声かけ
12月は、自然にギフトの話題を織り交ぜることができます。「年末年始のご予定はいかがですか?」といった会話から、「プレゼント選びに悩んでいる」「帰省するので実家の母に何か持っていきたい」といったニーズを引き出せます。
このタイミングで、「サロン専売のヘアケアセットは、普段自分では買わないけれど、もらうと嬉しいとご好評いただいています」と自然に提案することで、押し売り感なくギフト商品を紹介できます。
<要点>
・カウンセリングで髪の悩みを深掘りし、商品提案を「解決策」として位置づける
・施術中に使用する商品の価値を説明し、自宅でのケアへの興味を引き出す
・12月は会話の中から自然にギフトニーズを引き出すチャンスが多い
・悩み相談からの自然な商品紹介が高い販売実績につながる
冬のヘアケア商品ラインナップの組み立て方
ギフトニーズに応えるためには、価格帯と用途を考慮した商品ラインナップが重要です。
価格帯別の商品構成
ギフト商品は、贈る相手との関係性によって予算が異なります。そのため、3,000円前後のエントリー価格帯から、10,000円以上のプレミアム価格帯まで、幅広い選択肢を用意することが推奨されます。
例えば、「ちょっとしたお礼に」という用途では3,000円〜5,000円のミニセット、「お世話になった方へ」という用途では7,000円〜10,000円のプレミアムセットといった具合です。
セット商品の魅力を高める
単品よりも、シャンプー・トリートメント・ヘアオイルの3点セットなど、セット商品の方がギフトとしての価値が高まります。セット商品には、「トータルケアができる」「見栄えが良い」「適正な価格感がある」といったメリットがあります。
特に、冬の乾燥対策に特化した「潤いケアセット」や、ギフト限定の「スペシャルケアセット」など、季節感と特別感を打ち出した商品は購買につながりやすくなります。
男性向けラインナップの用意
年末年始は、女性がパートナーや父親へのプレゼントを探す時期でもあります。メンズ向けのスカルプケアセットや、シンプルなパッケージのヘアケアセットを用意しておくことで、幅広いギフトニーズに応えられます。
「ご主人やお父様へのプレゼントをお探しですか?」という一言が、新たな販売機会を生み出します。
限定感の演出
「冬季限定」「ギフト限定パッケージ」といった限定感は、購買を後押しする重要な要素です。数量限定や期間限定といった訴求により、「今買わないと」という心理が働き、購買の決断を促します。
<要点>
・3,000円〜10,000円以上まで、贈る相手との関係性に応じた価格帯を用意
・単品よりもセット商品の方がギフトとしての価値が高まる
・男性向けラインナップを用意することで幅広いギフトニーズに対応
・限定感の演出(冬季限定、数量限定)が購買の決断を後押しする
ギフトラッピングとディスプレイの工夫
見た目の美しさは、ギフト商品の購買において極めて重要です。
手軽に実践できるラッピングサービス
高級なラッピングである必要はありません。透明な袋に商品を入れ、サロンのロゴシールとリボンを添えるだけでも、十分にギフトらしさを演出できます。
無料ラッピングサービスを用意することで、「ギフトとして買いやすい」という印象を与え、購買を促進します。もし余裕があれば、有料で特別なラッピング(例:500円でプレミアムBOX入り)を選択できるようにすると、より高単価の販売につながります。
レジ周りのギフトディスプレイ
会計を待つ間の時間は、店販商品に目を向けてもらう絶好のチャンスです。レジ横やレセプション付近に、ギフト向け商品を集めたディスプレイコーナーを設けることで、「そういえばプレゼント探していた」という潜在ニーズを顕在化させることができます。
「ギフトにおすすめ」「冬の乾燥対策セット」といったPOPを添えることで、お客様自身が商品の用途を理解しやすくなります。
SNSでの視覚的訴求
InstagramなどのSNSで、ラッピングされたギフト商品の写真を投稿することも効果的です。「こんなに素敵にラッピングしてもらえるなら、プレゼントに良さそう」という視覚的な訴求が、来店前から購買意欲を高めます。
実際にギフトを購入されたお客様の許可を得て、ラッピング後の写真を投稿することで、他のお客様への参考にもなります。
<要点>
・透明袋+ロゴシール+リボンという手軽な方法でもギフトらしさは十分に演出できる
・無料ラッピングサービスが購買ハードルを下げる
・レジ周りにギフトディスプレイを設置し、会計待ちの時間を活用
・SNSでラッピング商品を視覚的に訴求し、来店前から購買意欲を高める
会計時の効果的な声かけテクニック
施術の満足度が高まる会計時は、店販提案の最も効果的なタイミングです。
施術の仕上がりと関連づけた提案
会計時には、お客様は施術の効果を実感しています。このタイミングで、「今日使用したトリートメントと同じシリーズのホームケア商品がございます。サロンの仕上がりをご自宅でも長く保てますよ」と提案することで、自然な流れで商品を紹介できます。
施術の満足度が高いほど、「この状態を維持したい」という気持ちが強くなるため、ホームケア商品への関心も高まります。
簡潔で具体的な提案
会計時の提案は、長々と説明するのではなく、簡潔に要点を伝えることが重要です。「このシャンプーは、カラーの色持ちを3週間延ばす効果があります」「このオイルを使うと、朝のスタイリング時間が半分になります」といった、具体的なベネフィットを短い言葉で伝えます。
成功しているサロンでは、会計時の簡潔な店販提案を強化することで、販売率を向上させています。
「今日だけの特典」を用意する
「本日ご購入いただいた方には、ミニサイズをプレゼントしています」「12月限定で、ギフトラッピングが無料です」といった、その場での購買を後押しする特典を用意することも効果的です。
この「今買う理由」を提供することで、「次回考えます」という先延ばしを防ぎ、即決購買を促します。
断られても次につなげる
もし購入に至らなくても、「またいつでもお声がけくださいね」と柔らかく伝え、次回来店時の購買につなげます。押し付けがましくない姿勢が、お客様との信頼関係を維持し、長期的な店販売上につながります。
<要点>
・施術の満足度が高い会計時は、店販提案の最も効果的なタイミング
・施術で使用した商品と関連づけて「この仕上がりを維持できる」と提案
・簡潔で具体的なベネフィット(カラー持続3週間、スタイリング時間半減など)を伝える
・「今日だけの特典」で即決購買を促し、断られても次につなげる姿勢を保つ
ECサイトとの連携で売上を最大化
デジタルツールを活用することで、店販売上をさらに伸ばすことができます。
サロンオリジナルECサイトの活用
ビューティーメリットのようなサロン管理システムには、ECサイト機能が搭載されているものもあります。この機能を活用すれば、お客様が自宅からでもサロン専売品を購入できる導線を作れます。
特にギフトシーズンは、「サロンで見た商品を、後でまとめて購入したい」「遠方に住む友人へ直送したい」といったニーズが高まるため、ECサイトの価値が一層高まります。
来店後のフォローアップメッセージ
LINEやメールでの自動配信機能を使い、来店後に「本日使用したトリートメントはこちらからご購入いただけます」というメッセージを送ることで、サロンにいる間は購買に至らなかったお客様にも、再度アプローチできます。
この来店後フォローは、押し付けがましくなく、お客様のタイミングで購入を検討していただける方法として効果的です。
ギフト向けEC特設ページの作成
12月限定で、「ギフトにおすすめのヘアケアセット」を集めた特設ページをECサイトに作成することも有効です。価格帯別、贈る相手別(女性向け、男性向け、年配の方向け)に商品を整理して掲載することで、お客様が選びやすくなります。
このページへのリンクをSNSやLINEで配信することで、サロンに来店しなくても購入できる導線を作り、売上機会を最大化できます。
在庫管理との連動
ECサイトとサロンの在庫管理システムを連動させることで、店頭とオンラインの在庫を一元管理でき、過剰在庫や品切れを防げます。特にギフトシーズンは需要が読みにくいため、正確な在庫管理が収益性向上のカギとなります。
在庫の「見える化」により、スタッフが在庫確認や発注といった雑務から解放され、より付加価値の高い接客に集中できるようになります。
<要点>
・ECサイト機能で自宅からの購入導線を作り、ギフトの直送ニーズに対応
・来店後のLINE/メールフォローで、サロン内で購買に至らなかったお客様に再アプローチ
・12月限定のギフト特設ページで、贈る相手別・価格帯別に商品を整理
・在庫管理との連動で過剰在庫・品切れを防ぎ、スタッフを接客に集中させる
まとめ
冬の店販強化は、ギフト需要という特別な購買心理を活かすことで、利益率の高い収益を生み出すチャンスです。カウンセリングで髪の悩みを深掘りし、施術中に商品の価値を伝え、会計時に簡潔に提案する。この自然な流れが、押し売り感なく店販売上を伸ばす鍵となります。
ラッピングサービスやギフトディスプレイ、ECサイトとの連携といった工夫を組み合わせることで、お客様に喜ばれながらサロンの収益を安定させることができます。まずは、今ある商品でギフトセットを作り、簡易ラッピングを用意することから始めてみてはいかがでしょうか。
FAQ
Q1. 店販商品を提案すると、押し売りと思われないか心配です。どうすればいいですか?
A1. カウンセリングで髪の悩みをしっかりヒアリングし、その「解決策」として商品を提案することで、押し売りではなく専門家としてのアドバイスになります。施術中に使用した商品の効果を実感していただいてから提案することで、自然な流れを作れます。また、断られても「いつでもお声がけくださいね」と柔らかく伝えることで、お客様との信頼関係を維持できます。
Q2. ギフト用のラッピングは、どの程度準備すればいいですか?
A2. 最初は透明な袋とサロンのロゴシール、リボンという簡易的なもので十分です。重要なのは、無料でラッピングサービスを提供することで、「ギフトとして買いやすい」という印象を与えることです。余裕があれば、有料で特別なBOX入りラッピングを選べるようにすると、高単価商品の販売にもつながります。まずは小さく始めて、反応を見ながら拡充していくことをおすすめします。
Q3. どのような価格帯の商品を揃えればいいですか?
A3. 贈る相手との関係性によって予算が異なるため、3,000円前後のエントリー価格帯から10,000円以上のプレミアム価格帯まで、幅広い選択肢を用意することが理想的です。「ちょっとしたお礼に」という用途では3,000円〜5,000円、「お世話になった方へ」という用途では7,000円〜10,000円のセットが選ばれやすいと考えられます。まずは既存商品で価格帯別のセットを組んでみることから始めましょう。
Q4. ECサイトを導入するメリットは何ですか?
A4. ECサイトがあることで、お客様が自宅からいつでも購入でき、「サロンで見た商品を後で買いたい」「遠方の友人に直送したい」というニーズに応えられます。特にギフトシーズンは、まとめ買いや直送の需要が高まるため、ECサイトの価値が一層高まります。また、来店後にLINEやメールでECサイトのリンクを送ることで、サロン内で購買に至らなかったお客様にも再アプローチでき、売上機会を最大化できます。
Q5. 店販売上の目標はどのくらいに設定すればいいですか?
A5. 成功しているサロンでは、店販購入客比率20%を目標としているケースが多いと言われています。例えば、月間100名のお客様が来店する場合、そのうち20名に店販商品を購入していただくことが一つの目安です。また、個人の販売目標としては、成功事例では月間数十万円から、トップスタッフで月間250万円という実績もあります。まずは現状を把握し、前月比や前年同月比で少しずつ伸ばしていくことをおすすめします。
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