七五三シーズンの親子予約を取り込む|10月からの準備と当日の運び方
更新日:2026年9月21日
11月の予約表を眺めていて、「そういえば七五三の問い合わせが来る時期だ」と気づく。けれど、そこから準備を始めると、もう間に合いません。七五三は前撮りが秋口から動き、当日の参拝は11月15日前後の週末に集中する行事です。親子2世代での来店が生まれやすく、年間を通じた接点にもつながります。この記事では、10月からできる準備と当日の運び方を整理します。
- 七五三の参拝は11月15日前後に集中し、前撮りは秋口から動き出す
- 対象は女の子が3歳と7歳、男の子が3歳と5歳。数え年でも満年齢でも構わないとされる
- 需要は前撮り・当日・後撮りの3つに分かれ、それぞれ求められることが違う
- 親子2世代の来店が生まれやすく、枠の設計を先に決めておく必要がある
- 告知は9〜10月に。既存のお客様への案内から始めるのが確実
七五三は「10月から動く」行事|時期と対象年齢の基本
七五三の準備は、10月のうちに始めておく必要があります。参拝が集中するのは11月ですが、そこに向けた動きはもっと前から始まっているためです。
まず基本を押さえておきます。七五三は、女の子が3歳と7歳、男の子が3歳と5歳を対象とする行事で、11月15日にお祝いするのが慣習とされています。この日付は江戸時代の由来にさかのぼるとされますが、現在は11月15日にこだわらず、その前後の週末に参拝するご家庭が一般的です。年齢の数え方は、数え年でも満年齢でもかまわないとされており、衣装のサイズを理由に満年齢を選ぶご家庭も多いようです。
サロンにとって重要なのは、需要が「11月の週末」という極端に狭い範囲に集中することです。とくに天候が安定し、六曜で縁起がよいとされる日の週末には希望が重なります。この数日をどう設計するかで、その年の受け入れられる件数が決まります。
そして、準備を10月からと申し上げる理由は告知にあります。ご家庭側は、衣装の手配や写真の予約を数か月前から進めています。サロンの案内が11月に入ってから届いても、すでに予定は固まっています。動くべきは、相手が検討している最中です。
- 対象は女の子3歳・7歳、男の子3歳・5歳。数え年でも満年齢でもよいとされる
- 参拝は11月15日前後の週末に集中する
- ご家庭は数か月前から動くため、告知は10月には出しておく
需要の形|前撮り・当日・後撮りで求められることが違う
七五三の需要は一つではありません。前撮り、参拝当日、後撮りの三つに分かれ、それぞれ求められることが異なります。ここを混ぜて考えると、枠の設計を誤ります。
前撮りは、夏の終わりから10月にかけて動きます。写真を目的とした来店のため、仕上がりの作り込みに時間をかけられる一方、撮影スタジオの予約時間に合わせた来店になりやすく、時間の融通は利きにくくなります。当日は11月の週末に集中し、朝の時間帯に希望が偏ります。参拝の時間から逆算されるため、早い時間の枠が必要になります。後撮りは11月下旬から12月にかけてで、比較的ゆとりのある層です。
サロンとして狙いやすいのは、実は前撮りと後撮りです。当日の朝は枠が限られ、どうしても受けられる件数に上限があります。一方、前撮りと後撮りは平日や日中の枠に分散させやすく、閑散になりやすい時間帯を埋める役割も果たします。「当日は埋まってしまいますが、前撮りでしたらゆっくりご案内できます」という提案は、双方にとって現実的です。
なお、七五三に関連して着付けの依頼を受ける場合は、自店で対応するのか、提携先を案内するのかを決めておきます。美容師法では、パーマネントウエーブや結髪、化粧等の方法により容姿を美しくすることを美容と定義しており、ヘアセットやメイクはこれにあたります。対応範囲を整理したうえで、できることとできないことを案内に明記しておくと、当日の行き違いを防げます。
あわせて読みたい:- 前撮りは秋口、当日は11月の週末朝、後撮りは11月下旬以降
- 当日の朝は上限があるため、前撮り・後撮りへの分散が現実的
- 着付けを受けるかどうかと対応範囲を先に決め、案内に明記する
親子2世代の枠設計|1組で2人以上を受ける前提で考える
七五三の来店は、お子様だけで完結しません。付き添うお母様、場合によってはご祖母様も同時に施術を希望されます。この前提で枠を設計する必要があります。
実務上の注意は三つあります。一つ目は所要時間の読み方です。お子様のヘアセットは、大人と違って途中で動いたり、飽きてしまったりすることを織り込む必要があります。予定どおりに進まないことを前提に、通常より余裕を持った時間を確保してください。二つ目は、同時進行にするか順番にするかです。担当者が二人いれば同時に進められますが、一人の店では順番になり、その間お子様を待たせることになります。順番の組み方は事前に決めておきます。
三つ目は料金と受付の形です。親子で複数名を受ける場合、予約の取り方が「1名分」になっていると、当日になって時間が足りないことが分かります。予約時に人数と内容を確認できる形にしておくか、七五三の期間だけ専用の受付方法を用意するのが確実です。
お子様の来店に関しては、店内での過ごし方も準備しておきたいところです。待ち時間に使えるもの、席の高さの調整、汚れが気になる場合のケープの用意。事前に少し整えておくだけで、当日の慌ただしさはかなり変わります。
あわせて読みたい:- お子様のセットは予定どおりに進まない前提で時間を確保する
- 同時進行か順番かを事前に決め、一人店は順番の組み方を用意する
- 予約時に人数と内容を確認できる受付の形にしておく
早朝・休日の枠をどう作るか
当日の需要に応えるには、通常より早い時間の枠が必要になります。ただし、無理な営業時間の拡大は現場の負担に直結するため、範囲を決めて取り組むのが現実的です。
考え方としては、対象日を絞ることです。11月の該当する週末だけ、開店を1時間早める。あるいは、2日間だけ早朝枠を設ける。通年で営業時間を変えるのではなく、期間限定と明示したうえで実施すれば、スタッフにも説明しやすくなります。早朝に出勤するスタッフの労働時間の扱いについては、事前にシフトと賃金の整理をしておいてください。
枠の作り方としては、早朝の時間帯を七五三向けの予約専用にしておく方法があります。通常のネット予約では表示させず、事前にご相談いただいた方にご案内する形です。こうすると、限られた枠を目的に合った来店で埋められます。
もう一つ、準備の負担を減らす工夫として、前日の準備を挙げておきます。使う道具や飾りをまとめておく、当日の担当と順番を紙に書き出しておく。朝の時間は本当に余裕がないため、前日に10分使うだけで当日の進行がまるで変わります。
あわせて読みたい:- 対象日を絞り、期間限定と明示したうえで早朝枠を設ける
- 早朝出勤の労働時間と賃金の扱いは事前に整理しておく
- 前日の10分の準備が、当日の進行を大きく左右する
告知は9〜10月に|誰に、どう伝えるか
告知のタイミングは9月から10月です。相手が検討している最中に届くかどうかで、結果は大きく変わります。
優先すべきは、既存のお客様への案内です。すでに通ってくださっている方のなかに、該当する年齢のお子様やお孫様がいらっしゃる可能性があります。全体への一斉配信よりも、来店時のひと声のほうが確実に届きます。「お子様は今年、七五三の年ではありませんか」という何気ない会話から予約につながるケースは珍しくありません。
配信で伝える場合は、内容を具体的にします。受付可能な日程、所要時間の目安、親子で受けられること、前撮り・当日・後撮りのどれに対応できるか。これらが書かれていないと、問い合わせの手間が生じて検討が止まります。なお、案内の文面では価格や仕上がりを断定的に打ち出さず、対応できる内容と時間を中心に伝えるほうが、無理がなく信頼につながります。
あわせて、既存のお客様のご家族という経路を意識してください。七五三は、普段サロンに来ていないご家族が来店するきっかけになります。その日の体験がよければ、次のハレの日にも思い出していただけます。単発の売上としてではなく、家族単位の接点づくりとして捉えると、準備にかける手間の意味が変わってきます。
- 告知は9〜10月。来店時のひと声がもっとも確実に届く
- 日程・所要時間・親子対応・撮影時期の対応可否を具体的に示す
- 普段来店のないご家族との接点をつくる機会として捉える
当日の運び方と、翌年につなげる記録
当日は、決めておいた段取りをなぞるだけの状態にしておくのが理想です。そのうえで、翌年のために記録を残します。
当日の進行では、到着してから施術開始までの時間を短くすることを意識します。事前に髪の長さや希望のイメージを伺っておけば、当日のカウンセリングは確認だけで済みます。参拝の時間が決まっているご家庭が多いため、終了予定の時刻を最初に共有しておくと、双方が動きやすくなります。
施術後には、崩れたときの直し方を一言お伝えしておくと喜ばれます。写真撮影や移動で崩れることは避けられません。ピンの留め直し方や、当日使えるスプレーの案内など、ちょっとした説明が印象に残ります。
そして、その年の記録を残します。どの日に何件の依頼があったか、どの時間帯に希望が集中したか、所要時間は予定どおりだったか、どの経路からの予約だったか。この記録があると、翌年の準備は格段に楽になります。あわせて、来店されたお子様の年齢を顧客情報に残しておけば、次の行事のタイミングでご案内できます。予約と顧客情報が一元管理されていれば、こうした記録は特別な作業をしなくても手元に残ります。
あわせて読みたい:- 事前に希望を伺い、当日は確認だけで施術に入れる状態にする
- 終了予定の時刻を最初に共有し、崩れたときの直し方も伝える
- 件数・時間帯・所要時間・予約経路を記録し、翌年の準備に使う
まとめ:11月の数日のために、10月から動く
七五三の受け入れは、①時期と対象年齢の基本を押さえる、②前撮り・当日・後撮りで需要の形が違うと理解する、③親子2世代を受ける前提で枠を設計する、④対象日を絞って早朝枠を用意する、⑤9〜10月に既存のお客様へ案内する、⑥当日の段取りと翌年への記録を残す、という流れで整理できます。
まずは、11月の該当する週末に何件まで受けられるかを数えてみてください。上限が見えれば、前撮りや後撮りへどう分散させるかも決まります。そして今週のうちに、来店されたお客様へのひと声を始めてみてください。
よくある質問(FAQ)
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