サロンの発注を自動化する|在庫アラートと発注点設計でムダと欠品をなくす
更新日:2026年6月22日
- 発注を担当者の感覚に頼ると、欠品と過剰在庫を繰り返しやすくなります
- 発注点(在庫がこの数まで減ったら発注する基準)を決めるのが仕組み化の核です
- 在庫アラートで「発注点を下回ったら気づく」状態をつくります
- ABC分析で重点商材を絞り、力を入れる管理対象を決めます
- 発注ロットと頻度を決めれば、発注作業そのものを短時間で回せます
発注が属人化するとどうなるか
発注が特定のスタッフ任せだと、その人が不在になった瞬間に在庫管理が止まります。
発注の判断基準が本人の頭の中にしかなく、他の人が「いつ・何を・いくつ」頼めばよいか分からないからです。
例えば発注担当が休みの週に、人気のカラー剤が切れて施術ができない、逆に気を利かせた別のスタッフが二重発注して在庫が溢れる、といったことが起こります。属人化は欠品と過剰在庫の両方を招きます。
「ベテランに任せておけば安心」は、裏を返せば一人に依存したリスクです。仕組みがないと、その人の経験が引き継がれないまま失われます。
- 発注の属人化は担当不在で在庫管理が止まる
- 判断基準が頭の中だと欠品も二重発注も起きる
- 経験が引き継がれず失われるリスクになる
発注点(リオーダーポイント)の決め方
発注の仕組み化は、「在庫がこの数まで減ったら発注する」という発注点を決めることから始まります。
発注点を決めておけば、誰でも同じタイミングで発注でき、判断に迷いがなくなるからです。
発注点は「①発注してから届くまでの日数(リードタイム)に使う量+②念のための予備(安全在庫)」で考えます。例えば1日に2本使う薬剤で、届くまで5日かかるなら最低10本は必要です。予備を5本持つなら、発注点は15本。在庫が15本まで減ったら発注、と決めれば迷いません。
リードタイムや使用量は季節や繁忙期で変わります。繁忙期前は発注点を引き上げるなど、定期的な見直しが必要です。
あわせて読みたい:- 発注点=リードタイム中の使用量+安全在庫
- 在庫がその数まで減ったら発注と決める
- 繁忙期前は発注点を見直す
在庫アラートで「気づく」仕組み
発注点を決めても、減ったことに気づかなければ意味がありません。「気づく」仕組みが必要です。
人の目視チェックだけでは見落としが起き、忙しい日ほど確認が後回しになるからです。
在庫管理アプリや表計算で在庫数を記録し、発注点を下回ったら色が変わる・通知が出る仕組みにすると、見落としが減ります。アナログでも、棚に「ここまで減ったら発注」のラインを貼る、最後の1箱に発注カードを挟むといった方法で“気づく”工夫はできます。
仕組みは「在庫数を正しく記録し続ける」ことが前提です。記録が止まればアラートも機能しません。記録のしやすさを優先し、続けられる方法を選びましょう。
- 発注点を下回ったら気づく仕組みをつくる
- アプリ・表計算なら色変化や通知で見落とし防止
- アナログでも発注ラインやカードで代用できる
ABC分析で重点商材を絞る
すべての在庫を同じ手間で管理するのは非効率です。ABC分析で重点商材を絞ります。
在庫の金額や使用量は商材ごとに大きく偏り、一部の主要商材が全体の大半を占めるからです。
使用量や金額の大きい順にA・B・Cの3ランクに分け、Aランク(主要薬剤など)は発注点をきちんと設定して厳密に管理、Cランク(たまにしか使わない物)は多めに買い置きしてざっくり管理、と手間を変えます。すべてを完璧に管理しようとすると続きません。
単価は安くても、欠品すると施術が止まる商材(共通で使う消耗品など)は、金額が小さくてもA管理に含めます。金額だけで機械的に分けないことがコツです。
- ABC分析で管理の手間にメリハリをつける
- Aは厳密管理、Cはざっくり管理
- 欠品で施術が止まる物は金額が小さくても重点管理
発注のルール化と担当の分散
発注点と重点商材が決まったら、「いつ・誰が・どう発注するか」をルールにして共有します。
ルールが文書になっていれば、担当が代わっても、複数人で分担しても、同じ品質で発注できるからです。
「毎週月曜にAランクの在庫を確認し、発注点を下回った物を発注する」のように曜日と手順を固定します。発注先・型番・発注単位を一覧にしておけば、新人でも発注できます。これで一人に依存した状態から抜け出せます。
ルールは作って終わりではなく、使われて初めて意味を持ちます。最初は手順書を見ながら、慣れたら効率化、と段階的に定着させましょう。
あわせて読みたい:- いつ・誰が・どう発注するかをルール化する
- 発注先・型番・発注単位を一覧にして共有
- 一人依存から複数人で回せる体制へ
過剰在庫を防ぐ発注ロットの考え方
欠品を恐れて多く頼みすぎると、今度は過剰在庫とムダ(廃棄・保管場所・資金の固定化)が生まれます。
在庫は「眠っている現金」であり、使い切れない量を抱えるとキャッシュが寝てしまうからです。
発注ロット(1回に頼む量)は、使用ペースと保管スペース、使用期限を踏まえて決めます。まとめ買いの割引に惹かれても、使い切れずに期限切れになれば結局割高です。回転の速い物は小まめに、遅い物は少量で、が基本です。
季節商材やトレンド商材は需要が読みにくく過剰在庫になりやすいので、少なめに発注して様子を見るのが安全です。
あわせて読みたい:- 在庫は眠っている現金、持ちすぎはムダ
- 発注ロットは使用ペース・保管・期限で決める
- 季節・トレンド商材は少なめに発注して様子見
まとめ|発注は「ルール」で回す
発注は、担当者の感覚ではなくルールで回す仕組みに変えられます。発注点(リオーダーポイント)を決め、在庫アラートで気づく状態をつくり、ABC分析で管理にメリハリをつける。発注先・手順を一覧にしてルール化すれば、誰でも同じ品質で発注でき、欠品と過剰在庫の両方を減らせます。
まずはよく使う主要商材だけでも、発注点を決めて棚に発注ラインを引いてみてください。それだけで「気づいたら切れていた」が大きく減ります。なお、予約・売上を集約してレポート化できる仕組みがあると来店傾向の把握には役立ちますが、在庫・発注の管理自体は在庫管理表やPOSで行うのが基本です。
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