スタッフとの1on1面談の進め方|離職の芽を早く見つける対話設計
更新日:2026年6月22日
- 1on1面談は「評価」ではなく、スタッフを「支援」するための対話の場です
- 頻度は月1回・30分前後など、無理なく続けられる形で固定します
- 本音を引き出すには、上司が話すより聞く時間を長くするのが基本です
- 遅刻の増加・口数の減少・提案の停止などは、離職の予兆サインです
- 面談はやりっぱなしにせず、約束したことへのフォローまでが一連です
1on1は「評価」ではなく「支援」の場
1on1面談は、スタッフを評価する場ではなく、スタッフのための支援の場です。
目的が「評価」だと、スタッフは身構えて本音を隠し、面談が形だけのものになってしまうからです。
1on1の主役はスタッフです。最近の仕事の状況、困っていること、これからやってみたいことなど、本人が話したいテーマを中心に進めます。上司は答えを出す人ではなく、話を引き出し、一緒に考える聞き役に回ります。この前提が共有されていると、面談の質が大きく変わります。
「上司が一方的に指示やダメ出しをする時間」になってしまうと、スタッフは次第に当たり障りのない話しかしなくなります。支援の場であることを、最初に言葉で伝えておくことが大切です。
あわせて読みたい:- 1on1は評価でなく支援の場
- 主役はスタッフ、上司は聞き役
- 支援の場だと最初に言葉で伝える
適切な頻度と時間
1on1は、無理なく続けられる頻度で固定するのが基本です。月1回・30分前後が一つの目安です。
頻度が低すぎると変化に気づけず、高すぎると現場の負担になって続かないからです。続けることが何より重要です。
新人や環境が変わったばかりのスタッフは、最初の数カ月だけ隔週にするなど、状況に応じて調整します。大切なのは、思いついたときにやるのではなく、あらかじめ予定に組み込み、よほどのことがない限り動かさないことです。「あなたのための時間を毎月確保している」という姿勢自体が、安心感につながります。
忙しさを理由に面談を後回しにし続けると、「結局自分は後回しなんだ」というメッセージになりかねません。短くてもよいので、定期的に必ず行うことを優先しましょう。
- 月1回・30分前後を目安に固定する
- 新人や環境変化時は頻度を上げる
- 忙しくても予定に組み込み動かさない
本音を引き出す質問設計
本音を引き出す鍵は、上司が話す時間を減らし、答えやすい質問から始めることです。
いきなり「悩みは?」と聞かれても答えにくく、また上司が話し続けると、スタッフが話す余白がなくなるからです。
「最近の仕事で手応えを感じたことは?」のような前向きな話から入り、徐々に「やりにくさを感じる場面はある?」と広げます。『はい・いいえ』で終わらない開かれた質問を使い、相手が話したら、すぐ意見せず「もう少し聞かせて」と深掘りします。沈黙を怖がらず、考える時間を待つことも大切です。
注意したいのは、聞いた悩みをその場で全部解決しようとしないことです。まずは受け止めることが目的で、解決は持ち帰って構いません。否定や説教が入ると、次から本音は出てこなくなります。
- 前向きな話から入り徐々に深める
- はい・いいえで終わらない質問を使う
- その場で解決せずまず受け止める
離職の予兆サイン
離職は突然ではなく、行動の小さな変化として予兆が表れることが多いものです。
不満や疲れは、本人が言葉にする前に、態度や仕事ぶりににじみ出るからです。
代表的なサインは、遅刻・早退が増える、口数や笑顔が減る、これまであった提案や質問がなくなる、身だしなみへの関心が下がる、有給の取り方が変わる、などです。一つひとつは小さくても、複数が重なったり、その人らしくない変化が続いたら注意が必要です。1on1を続けていると、こうした“いつもとの違い”に気づきやすくなります。
ただし、サインを見つけても問い詰めないことです。「最近少し疲れているように見えるけど、大丈夫?」と気にかける声かけにとどめ、本人が話せる空気をつくることが先決です。
- 遅刻増・口数減・提案停止は予兆
- 単発でなく複数・継続の変化に注意
- 見つけても問い詰めず気にかける
面談後のフォロー
1on1は、面談中よりも「面談後のフォロー」で価値が決まります。
話して終わりだと「言っても何も変わらない」となり、かえって信頼を失うからです。
面談で出た要望や約束は、簡単でよいので記録し、次回までに何をするかを決めます。すぐ解決できないことも、「検討中」「これは難しい」と進捗を返すだけで、スタッフは「ちゃんと向き合ってくれている」と感じます。前回の話の続きから次の面談を始めると、対話が積み重なっていきます。
すべての要望に応える必要はありません。できること・できないことを正直に伝える誠実さの方が、曖昧な期待を持たせるより信頼につながります。
あわせて読みたい:- 面談後のフォローで価値が決まる
- 約束は記録し進捗を必ず返す
- できる・できないを正直に伝える
評価面談との分け方
1on1と評価面談は、目的が違うため分けて運用するのが基本です。
評価(給与や等級の判断)と支援(成長や悩みの相談)が混ざると、スタッフが安心して本音を話せなくなるからです。
評価面談は、半期や期末などのタイミングで、基準に沿って成果を振り返る場です。一方の1on1は、日常的な支援とコミュニケーションの場で、その場で評価や処遇の話はしません。同じ「面談」でも役割が違うことを、スタッフにもあらかじめ説明しておくと、それぞれの場で話しやすくなります。
ただし、1on1で見えてきたスタッフの努力や課題は、評価面談での材料として活きます。日々の対話の蓄積があるほど、評価の納得感も高まります。
- 1on1は支援、評価面談は処遇の判断
- 混ぜると本音が出にくくなる
- 1on1の蓄積が評価の納得感を高める
まとめ|対話が定着をつくる
1on1面談は、評価ではなく支援の場として、月1回・30分前後など続けられる形で固定するのが基本です。上司は聞き役に回り、答えやすい質問から本音を引き出す。遅刻増や口数減などの予兆に気づき、面談後のフォローまでを一連にすれば、離職の芽を早く見つけて定着につなげられます。評価面談とは目的を分けて運用しましょう。
まずは1人、来月の予定に30分の1on1を入れることから始めてみてください。続けるうちに、現場では見えなかったスタッフの本音が見えてきます。予約管理を効率化して現場の余白をつくると、こうした面談の時間も確保しやすくなります。
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